シャープ広報室ブログ

2012年度 第1四半期決算発表会を実施

2012年8月2日

2012年8月2日、2012年度 第1四半期の決算発表会を実施しました。

T.2012年度第1四半期連結業績概要

2013年3月期 第1四半期の売上高は、前年同期比71.6%の4,586億円となりました。
利益については、営業利益がマイナス941億円、経常利益がマイナス1,038億円、当期純利益がマイナス1,384億円となり、それぞれ前年同期から大幅な悪化となりました。

なお、特別損失として、液晶工場におけるIGZO技術展開に伴う費用などの事業構造改革費用142億円、TFT液晶カルテル関連の和解金158億円を計上しています。

U.部門別売上高・営業利益

各部門の売上高には、「エレクトロニクス機器」と「電子部品」とのセグメント間の内部売上高または振替高を含んでいます。

売上高、営業利益ともAV・通信機器部門、液晶部門の2部門における減少が大きく、全社の売上高、営業利益の悪化は、ほぼこの2部門によるものとなっています。

(1)AV・通信機器

売上高は前年同期比45.1%の1,341億円、営業利益はマイナス202億円となりました。
2013年3月期の通期予想は、足下の状況、並びに今後の販売見通しなどを勘案し、売上高を前年比65.0%の6,900億円、営業利益をマイナス170億円に見直しています。

<液晶テレビ>

主要商品である液晶テレビは、ASEANなど新興国における販売が好調に推移したものの、中国での販売低迷に加え、国内で大幅な需要の減少に見舞われました。この結果、売上高は前年同期比50.4%の777億円、販売台数は50.6%の166万台にとどまりました。
引き続き厳しい市場環境が続きますが、2013年3月期の下期からは国内市場でも需要の落ち込みのボトムアウトが期待されること、また、大きな成長が見込まれる新興国での事業拡大に取り組むことで、2013年3月期の上期を底にした回復を図っていきます。
2013年3月期 通期の売上高は前年比60.2%の3,500億円、販売台数は65.1%の800万台に見直しています。

<携帯電話>

携帯電話については、国内における海外携帯メーカーとの競争激化、主要デバイスの供給不足などもあり、売上高が前年同期比31.6%の292億円、台数ベースでも36.9%の77万台となりました。
今後とも、使い易いユーザーインターフェースやIGZO液晶を搭載したモデルなど特長端末を市場に投入し、売上挽回に取り組みます。
2013年3月期 通期の売上高は前年比78.5%の2,400億円、販売台数は81.8%の630万台に見直しています。

(2)健康・環境機器

海外市場でエアコンや冷蔵庫などの販売が堅調に推移したことから、売上高は前年同期比105.3%の782億円、営業利益も122.7%の82億円となりました。2013年3月期の通期予想は、期初予想を据え置いています。

(3)情報機器

景気の不透明感による企業の投資抑制の影響などを受け、売上高は前年同期比97.9%の647億円、営業利益は、前期の在庫を消化したことによる収益悪化もあり、前年同期比40.0%の23億円となりました。
今後は、電子黒板やマルチディスプレイなどの販売体制強化に取り組み、事業の拡大を図ります。
2013年3月期の通期予想は、売上高を前年同期比104.5%の2,900億円、営業利益を79.3%の220億円に見直しています。

(4)液晶

売上高は前年同期比77.6%の1,459億円、営業利益は、中小型液晶の収益悪化などもあり、マイナス634億円となりました。第1四半期は、中小型液晶において大手ユーザーからの受注がずれ込んだことなどから、工場の操業度低下がありました。また、大型液晶では、堺工場の稼動率を30%程度まで落とし、在庫の適正化に最優先で取り組みました。その結果、同部門の売上と利益は、ともに前年同期から大きく減少することとなりました。

<中小型液晶>

スマートフォンやタブレットなど、高精細パネルに対する需要が拡大する中、当社の中小型液晶は、ユーザーより高い評価をいただいています。
Windows(R) 8の発売により、今後の需要拡大が期待される高性能端末向け液晶の受注拡大を図るとともに、顧客サポート体制の拡充により、新規ユーザーへのデザインイン活動を強化し、事業拡大と収益改善に努めます。

<大型液晶>

今後の需要動向を見据えた生産および販売の推進と在庫正化の取り組みを強化するとともに、鴻海グループとの協業加速による工場の安定操業とコストダウン、外販強化に取り組み、早期の収益改善をめざします。

2013年3月期の通期予想は、液晶部門トータルの売上高を前年同期比124.8%の9,000億円、営業利益をマイナス1,050億円に見直しています。

(5)太陽電池

売上高は前年同期比81.8%の419億円、営業利益はマイナス69億円となりました。
国内は住宅用を中心に堅調に推移したものの、海外では市場環境悪化と競争激化に伴う価格下落が進展しました。足下では、好調な住宅用に加えて、2012年7月からスタートした再生可能エネルギーの全量買取制度を背景にメガソーラー計画など発電事業に関わる受注案件も増加しています。当社は、単なるセル・モジュール販売のみならず、設計、施工、発電、メンテナンスなどの幅広いバリューチェーンでの事業拡大に取り組んでいきます。
2013年3月期の通期予想は、期初予想を据え置いています。

(6)その他電子デバイス

カメラモジュールの販売増などにより、売上高は前年同期比104.2%の474億円となりました。 一方、営業利益は、液晶テレビを中心としたデジタル家電向けデバイスの価格競争の激化などがあったことから、マイナス50億円となりました。今後は、カメラモジュールに加え、LEDなどのライティングビジネスの販売強化を図ります。
2013年3月期 通期の売上高は前年同期比109.2%の2,600億円、営業利益は0円に見直しています。

V.2012年度 連結業績予想・修正

2012年4月27日に公表した2013年3月期 通期の連結業績予想を修正しました。
売上高で2,000億円、営業利益で1,200億円の修正を行っており、AV・通信機器部門と液晶部門の減少が主な要因となっています。具体的には、「日本や中国を中心とした液晶テレビの販売減」と「IGZO液晶の立ち上がりと販売先拡大の遅れによる中小型液晶の販売未達」、「液晶テレビの販売低迷によるLEDデバイスの販売減少」などを織り込んで、修正しています。

設備投資は900億円に、減価償却費は2,000億円に、研究開発費は1,400億円に、通期予想をそれぞれ見直し減額しています。想定為替レートについても、ユーロは100円に変更しています。

一方、財務体質の改善については、先日公表しましたとおり、大型液晶事業のオフバランス化、鴻海グループへの第三者割当増資、在庫の適正化と固定資産の売却、設備投資の圧縮などに引き続き取り組んでいきます。

これらの取り組みにより、2013年3月期末には、棚卸資産を2012年3月期末の5,274億円から4,000億円へ、有利子負債を1兆1,271億円から9,000億円へとそれぞれ削減を図ります。
その他、2014年3月期の無担保転換社債型新株予約権付社債2,000億円の償還を見据え、長期資金の安定調達を図るため、今回主要取引金融機関にバックアップ体制を検討していただいています。

2013年3月期 通期の売上高は2兆5,000億円、営業利益はマイナス1,000億円、経常利益はマイナス1,400億円、当期純利益は、構造改革費用などの特別損失を織り込みマイナス2,500億円に修正しています。

業績予想の修正や財務状況を勘案し、2012年3月期の決算発表時点では未定としておりました2013年3月期の配当予想につきましては、誠に遺憾ながら第2四半期末(中間)、期末とも無配とさせていただきます。
ただし、一方で下期の営業利益につきましては、上期のマイナス1,300億円に対し、300億円の黒字へと収益改善を見込んでいます。

IV.経営改善対策

(1)主な課題事業への対応

2013年3月期については、当初より上期は厳しい状況になると見込んでいましたが、第1四半期の実績は、残念ながら、その見込みをも下回る結果となりました。当社では、一刻の猶予も許されない経営状況にあるとの認識から、実態に則して、直ちに業績予想を修正し、スピード感を持って事業運営に反映させていきます。
2013年3月期 下期以降の黒字化に向け、特に、当社の課題となっている3つの重荷(在庫、設備、人)について、踏み込んだ取り組みを実施します。

1.堺工場の稼動

第1四半期は、財務体質の改善を最優先するとの方針から、堺工場の稼動を30%程度に抑制しました。あわせて、在庫消化にかかる追加コストが発生し、想定以上の収益悪化となりました。
しかし、2012年7月以降は、鴻海グループに加え、当社の外販ユーザーからの受注の獲得が進んだことにより、段階的に稼動率は高まっており、現在は80%程度になっています。期初には90%程度と見込んでいましたが、在庫消化との兼ね合いで、第2四半期は80%程度での稼動を見込んでいます。第3四半期以降も、鴻海グループの引き取り分や当社の外販ユーザーからの受注状況を勘案すると、80〜90%程度の稼動が維持できる見通しです。
なお、大型液晶の在庫は、2012年3月末から6月末までに約400億円の削減を実現しました。9月末は、6月末比でさらに200億円の削減を実施する予定です。

2.中小型液晶の取り組み

旺盛な需要に対応するため、現在、三重工場および天理工場はフル操業で対応しています。また、亀山第1工場は、2012年8月から量産を開始する予定です。
亀山第2工場では、2012年3月以降にIGZO技術を採用した新型パネルの生産を開始しましたが、大口顧客からの受注減少、現在デザインインを進めている顧客の商品化時期の影響を受け、稼動率が低迷しています。これに伴う操業損が発生したことから、第1四半期は収益齟齬を生じる結果となり、残念ながら通期の収支計画にも影響が残る見込みです。
しかし、Windows(R) 8が年内に提供される予定で、すでにIGZO液晶の特長を活かした中小型液晶の引き合いを多くのユーザーからいただいています。2013年3月期の下期から2014年3月期にかけては、新しいモニター、UltrabookTM、ノートPC用の需要が拡大すると見込んでいます。

(2)2014年3月期以降の確実な利益回復に向けて

厳しい経営環境の継続を前提とした、確実な利益回復に向けた取り組みについて、説明します。当社では、2012年3月期の業績を底とし、来年度以降に確実な回復を図るため、経営体質の強化に努めます。仮に、2011年3月期や2012年3月期と同じ水準の売上高であっても、健全な収益が確保できる経営体質の実現をめざします。そのために、後ほど説明します事業の再編や人員のスリム化、および業務の制度やシステムの変更などにより、1,000億円を目標とし固定費を削減します。具体的には、人件費および減価償却費の低減、業務委託費や宣伝費の削減などを図っていきます。

(3)新たな成長に向けた構造改革

筋肉質な経営体質の実現と同時に、新たな成長に向けて、4つの項目に取り組みます。

1.事業グループの再編

市場ニーズの変化、顧客や事業・ビジネスモデルの特性に応じ、新・必需品の創出や、BtoB分野などで新たな市場を創造する取り組みを強化するため、現在の事業を大きく4つの事業グループに再編し、経営の効率化を図ります。
1つ目は「デジタル情報家電グループ」です。AVシステム事業本部と通信システム事業本部を再編統合することで、新たなIGZO応用商品の開発を急ぎます。また、次世代液晶テレビやタブレット端末などをネットワークで連携させた新しいデジタルライフの提案に取り組み、より付加価値の高い事業体をめざします。
2つ目は「健康環境・エネルギーグループ」です。健康・環境システム事業本部とソーラーシステム事業本部が母体となり、HEMSや蓄電池、パワコンなどのソーラー周辺機器の事業拡大を図ります。また、プラズマクラスター・LED事業を新たに本部として独立させ、倉庫や工場といった業務用分野でのプラズマクラスターの用途拡大や業務用LED照明などBtoB分野の強化とグローバル展開を本格的に進めます。加えて、ASEANなど新興国を中心とした海外事業拡大をさらに進めます。
3つ目は「ビジネスソリューショングループ」です。当社のBtoB事業の中核となる事業グループとして、引き続きオフィスや公共空間へのソリューション提案を強化するとともに、より強固な販売体制の構築を進め、新規顧客の開拓を図ります。
4つ目は「デバイスグループ」です。スマートフォン需要の拡大やWindows(R) 8の発売などのビジネスチャンスをとらえ、IGZO液晶の新規顧客の開拓や、さまざまな特長デバイスの融合による新デバイスの開発にスピードをあげて取り組みます。

2.事業所の体制見直し

4つの事業グループへの再編にあわせ、事業所体制の見直しを図ります。AVシステム事業本部の本部機能を栃木工場から奈良に、ソーラーシステム事業本部の本部機能を葛城工場から大阪の堺に移管し、両工場は順次その規模を縮小していきます。

3.本社のスリム化

社内のさまざまなオペレーションを変革し、業務の効率化を図り、意思決定の迅速化を実現するため、肥大化し、タテ割で細分化している本社の各本部組織を2012年8月3日付で再編します。

4.人員のスリム化

これらの取り組みにより、人員のスリム化を進めます。連結対象会社社員約57,000人を対象に自然減に加え、オフバランスや希望退職などの施策により2013年3月末までに約5,000人削減します。取り組みの内容につきましては今後、労働組合との協議を進めていきます。

足下の経営環境は大変厳しい状況にあります。当社では、事業の切り離し、組織の再編、人員調整など、前例のないさまざまな構造改革に素早く取り組み、経営のスピードを上げることで、業績の回復に取り組んでいきます。

部門別実績など、決算の詳しい内容はIR(投資家情報)サイトに掲載しています。

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