独自のプラズマクラスター技術による空気浄化作用を活かし、間接的に業務用中低温型冷房用空調機器の省エネに寄与させる手法を創出しました。
浮遊菌を抑制するため、工場内の管理温度を15℃に維持していたが、プラズマクラスターイオン発生機を設置することで、その浮遊菌抑制作用により、 管理温度を17℃に上げても、15℃と同等の衛生環境を維持できました。その結果、空調機器の消費電力量の20%削減を見込みました。
一般的に、水産加工工場では菌が増殖しないように空調設備によって低温管理されており、工場内の管理温度を上昇させると菌が増殖するという課題がありました。 実際に稼働している工場内にプラズマクラスターイオン発生機を設置し、工場内の管理温度を2℃※1上昇させても、浮遊菌の増殖が抑制され※2、 衛生管理手法「HACCP」※3に準拠した高い衛生環境が維持できることを確認しました。
※ cfu:菌量の単位、Colony Forming Unitの略。浮遊菌測定装置で吸い込んだ空気500L中の菌量を測定。
管理温度を上昇させることにより、空調設備の消費電力量の削減に寄与※4します。
試算
実績
実際の電気料金削減額は、約240万円となりました。今回の空調設備トータルの熱変換効率と、試算に用いた数値に差があり、試算時よりも大きな節電効果が得られたと考えられます。
温度を上昇させることができたことで電気代節約につながったことに加え、従業員の身体への負担も軽減されました。
- ※1イオン発生機を設置する工場などの施設におけるさまざまな条件や環境により変動します。
- ※2シャープ株式会社と鹿児島県の水産加工工場による共同試験。試験方法:天井埋込型プラズマクラスターイオン発生機 <IG-1B10A> 44台を約360m²の水産加工工場に設置し、 管理温度15℃と17℃でプラズマクラスターイオンなしとありの場合の浮遊菌をエアーサンプラーで測定。 試験結果:17℃プラズマクラスターイオンありの環境での浮遊菌数が、15℃プラズマクラスターイオンなしの環境での浮遊菌数と同等レベルであることを確認。
- ※3Hazard Analysis Critical Control Point。食品の原料の受け入れから製造・出荷までのすべての工程において、危害の発生を防止するための重要ポイントを継続的に監視・記録する衛生管理手法。
- ※4約20%の削減が見込まれます。日本冷凍空調工業会の指標「家庭用エアコンの冷房温度を1℃上げた場合、約10%の消費電力量の削減が見込まれる」より、当社にて推定。