第三者意見/第三者意見を受けて
シャープ サステナビリティ レポート 2012
第三者意見
<略歴>
大阪市立大学大学院経営学研究科修了。博士(経営学)。
大阪市立大学助教授、神戸大学助教授を経て2001年より現職。
専門は社会環境会計、環境経営、CSR経営。
株式会社環境管理会計研究所取締役、日本MFCAフォーラム会長。
ISO/TC207/WG8(MFCA)議長。
経済産業省「マテリアルフローコスト会計開発普及事業委員会」
委員長、同「サプライチェーン省資源化促進連携事業評価委員会」
委員長、環境省「環境報告書ガイドライン等改訂に関する検討
委員会」委員等を歴任。
著書に『マテリアルフローコスト会計』(日本経済新聞出版社)、
『環境経営・会計』(有斐閣)などがある。
世界水準の報告書
シャープの「サステナビリティ レポート 2012」は質・量ともに世界水準の報告書ということができます。マネジメント、環境、社会のそれぞれの項目に対して、真摯に取り組み、その成果を詳細に開示している姿勢は高く評価できます。特に、それぞれの活動項目について、2011年度の目標→実績→2012年度の目標、加えて環境面では2015年度の目標を冒頭に整理されている点は、サステナビリティに関してPDCAが十分に回っていることを示しており、他社の模範になるものと思います。
「エコ・ポジティブ カンパニー」について
シャープは「エコ・ポジティブ カンパニー」を企業ビジョンにして、長年環境活動に取り組んでこられました。自社のCO2を削減するだけでなく、「削減貢献量」という考え方を打ち出して、低炭素化に大きく貢献されていることは大いに評価できます。環境活動の目標も詳細かつ具体的で、かつ効果も十分あげておられます。また、環境会計についてConnected Reporting Frameworkの考え方を取り入れられたり、GHGプロトコルスコープ3の情報開示をされたりするなど、最新の動向を取り入れる工夫が随所でなされています。
積極的な社会活動
シャープは社会面についても広範な課題について積極的に活動を行っています。定性的な表現が多いものの、各課題について目標を設定して実績を詳しく開示しており、誠実な情報開示であると思います。競争法遵守をコンプライアンスの重点分野として取り組むことや、サプライチェーン全体でのCSRを推進していこうとする姿勢は、重要な特徴です。今後は、ステイクホルダーとのダイアローグなどの双方向コミュニケーションをいろいろなメディアを使って、さらに展開されるとよいと思います。
新しい共通価値の創造へ
このようにシャープのサステナビリティをめぐる活動は非常に素晴らしいものです。一方で、シャープをめぐる現在の経済環境は大変厳しいものがあります。しかし、サステナビリティ レポートを読むと、シャープは地域や社会に対して非常に重要な価値を提供していることがわかります。これらの価値は企業と社会の共通価値であり、社会がその意義を認めることで企業の競争優位の源泉になるものです。サステナビリティ活動を推進することで共通価値を創造し、現在の状況を克服して、さらに発展されることを期待しています。
第三者意見を受けて
創業100周年を迎える本年、当社は改めて、経営理念および“誠意と創意”の経営信条を企業活動の原点として、次の100年に向けてスタートを切ります。國部先生から、企業ビジョン「エコ・ポジティブ カンパニー」などの活動面の評価とともに、「CSR活動に対して“真摯に”取り組み」あるいは「“誠実な”情報開示」という当社の経営信条に基づく姿勢面もご評価をいただきましたことは、誠にありがたく存じます。
これから企業は、社会の持続可能な発展にどのように貢献するのかを、ますます問われます。國部先生からいただきました「ステイクホルダーとの双方向コミュニケーションのさらなる展開」、「サステナビリティ活動の推進による企業と社会の共通価値の創造」などの貴重なご意見を活かし、社会および当社自身のサステナビリティ(持続可能性)の継続的な向上にむけて取り組んでまいります。
2012年6月











