太陽光発電関連事業の推進
シャープは1959年に太陽電池の開発に着手して以来、約半世紀にわたり太陽光発電システムの開発と普及拡大に取り組んできました。その結果、2012年度までの太陽電池の生産量は累計6.6GWに達しています。
太陽電池セル・モジュールの開発・生産、システム設計、発電所の建設、保守メンテナンス、さらには独立発電事業に至るまで、バリューチェーン全体を手掛けるトータルソリューション事業を世界各地で展開し、温暖化対策に貢献する再生可能エネルギーの普及拡大を進めています。
国内における太陽光発電システムの普及拡大
2012年7月、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(全量買取制度)がスタートしました。これにより住宅用太陽光発電システムの普及に弾みがつくとともに、太陽光発電事業が新たなビジネスとして注目を浴びています。
国内の住宅用太陽光発電システムは2012年4月に100万件を突破、固定価格買取制度の追い風を受け、2013年3月末の累計設置件数は126万件に増加しました。そのうち55万件(約44%)はシャープの太陽光発電システムです。また、国内各地で太陽光発電所の建設を受注しており、2012年度は群馬県榛東村など数箇所で商業運転が開始されています。
シャープと芙蓉総合リース株式会社が共同出資する合同会社クリスタル・クリア・ソーラーでは、多奈川発電所(大阪府泉南郡)、矢板発電所(栃木県矢板市)、桧垣本発電所(奈良県吉野郡)が2012年3月に相次いで商業運転を開始しました。これらの発電所は企画から建設、保守・メンテナンス、そして発電事業まで、シャープが合同会社から全てを委託されたもので、3つの発電所であわせて年間約7.3MWhの電力供給を見込んでいます。

海外における太陽光発電事業の推進
海外では、「メガソーラーの案件開発事業」「独立発電事業」「システム設計から調達、建設までを手掛けるEPC事業(Engineering,Procurement and Construction)」「保守メンテナンス事業」など、トータルソリューションの強みを生かした事業を各地で展開しています。
シャープがタイの発電事業会社NED社から同国の建設会社と共同で受注し、タイのロッブリ県に建設したメガソーラーは、2012年3月に完成した73.2MWの発電サイトに続き、2013年5月には隣接する土地に10.3 MWの発電サイトが完成しました。これにより、あわせて約84MWと、タイで最大規模の太陽光発電所になりました。
東京ドームおよそ46個分(約2.16平方キロメートル)の広大な敷地に薄膜シリコン太陽電池モジュール約64万枚を設置する同発電所では、当社子会社がメンテナンスやクリーニングを請け負っており、発電所の安定した稼動を支えています。

※1 Sharp Solar Maintenance Asia Co.,Ltd.アジア地域におけるメガソーラーの保守・メンテナンス業務を行う目的で2011年に設立したシャープ子会社。
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太陽光発電事業を通じて途上国が抱える温暖化問題に取り組む
メガソーラー導入の実現可能性調査を実施(インドネシア)
堅調な経済発展を遂げるインドネシアでは、急拡大する電力需要の約8割を石炭・火力・天然ガスの発電に依存しています。インドネシア政府は温暖化対策と脱石油依存の観点から、2020年までに温暖化ガスをBAU※2比26%削減するとともに、2025年までに再生可能エネルギーの構成比を25%にまで引き上げる目標を掲げています。
シャープは、日本政府がインドネシア政府との間で進める「二国間オフセット・クレジット制度※3」構築にむけた調査を受託し、薄膜太陽電池を用いたメガソーラー導入の実現可能性について同国で調査を行いました。調査では、メガソーラーの建設に適した場所を選定し、日射量や系統連系の可能性等を確認するとともに、発電量のモニタリング手法の開発、メガソーラーの導入による温暖化ガス排出削減量の見積もり等を行いました。また2013年1月には、インドネシアのエネルギー鉱物資源省や国営電力会社の技術者を日本に招き、太陽光発電関連施設での視察や研修を通して太陽光発電への理解を深めていただき、2月にジャカルタで開催したワークショップでは、両国の政府関係者や現地企業などに対し、太陽光エネルギーの可能性と二国間オフセット・クレジット制度の有効性を訴求しました。
※2 Business As Usualの略。削減施策を実施しなければ排出されたと想定される排出量。
※3 省エネ技術を途上国に提供することで、技術の普及にともなって実現した温暖化ガス削減分を排出枠(クレジット)として得る制度。

担当者の声
東西約4,000kmにわたって約17,500の島々が点在するインドネシアでは、未だ無電化地域が多く、電力の供給源としてソーラーの普及が期待されています。また、ディーゼル発電に依存する離島地域では燃料費の高騰に悩まされています。
当社が長い期間をかけて培った技術やノウハウを通じ、同国の地域社会に貢献できると確信しています。
ソーラーを主電源とする浄水装置の普及プロジェクトを推進(ケニア)
ケニアでは多くの地方で生活用水を井戸から供給していますが、気候変動に伴う降雨の減少が原因の渇水や、井戸水がフッ素等の有害物質で汚染されて利用できない「失敗井戸」となるケースが多く発生しており、水不足や水の安全が深刻な問題となっています。また、地方の電化率が低く、電気による近代生活の恩恵を受けられない人々が数多く存在します。
シャープは日本政府から委託を受け、有害物質を除去できる電解方式の浄水装置と、動力源としての太陽電池を組み合わせたシステムを提供する事業の実現可能性をケニアで調査しました。ケニア国内の7カ所で水の利用実態や水質調査を行い、「失敗井戸」の再生をはじめ、ホテルや工場の排水の浄化、農業用地の土壌改善など、幅広い用途展開の可能性を確認することができ、2013年2月にナイロビで行われたワークショップでその成果を報告しました。

担当者の声
このシステムが電気のない地域でも運転可能であるという点が、現地の方々から大きく期待されています。ソーラーを使って安定的に電力を供給できるシステムを普及させれば、世界の無電化地域において計り知れない社会貢献が可能です。まだまだ電気の恩恵を受けられない多くの人々が、世界中で私たちの技術を待っておられます。











