低炭素社会に貢献する環境技術
ディスプレイを革新する酸化物半導体「IGZO」の新技術を開発
シャープは、株式会社半導体エネルギー研究所とともに、酸化物半導体「IGZO」の実用化技術を開発しました。
IGZOは、通常シリコン(Si)が使われる材料にインジウム(In)とガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)の酸化物(O)を採用した半導体です。スマートフォンなどモバイル機器向けをはじめとする液晶ディスプレイの高精細化、タッチパネルの高性能化、そして最大の特長として飛躍的な低消費電力化に寄与します。
従来は静止画を表示する際にもデータを頻繁に書き換えていましたが、IGZOでは電流がOFFの状態で一定期間データの書き換えをせずに画像を保持できるため、液晶パネルの消費電力を5分の1から10分の1に減らすことができます。
静止画表示時の使用電力

2012年11月には、世界で初めてスマートフォンにIGZO技術を搭載しました(株式会社NTTドコモ向け「docomo NEXT series AQUOS PHONE ZETA SH-02E」)。従来機と比較して、連続静止画表示時間は約4.8倍、連続動画再生時間は約2.8倍※1の電池持ちを実現しています。
こうした「充電を気にせず2日間※2安心して使う」ことができる省エネ性能が高く評価され、2013年5月には、斬新で優れたディスプレイを搭載した製品を選出する「Display Industry Awards」※3の「Display of the Year Award」部門で金賞を受賞しました。
※1 SH-01Dとの比較。エコ技設定「OFF」時、バックライトは標準輝度で常時点灯とした場合で、実際に端末を使って測定したものです(当社調べ)。
※2 当社で実際の使用状況(メールの送受信、アプリの使用など)を想定し、測定したものです。アプリの動作やネットワーク環境により、大きく変動する場合があります。
※3 SID(The Society for Information Display)が1995年から毎年実施しているディスプレイ業界で権威のある賞の1つ。

開発担当者の声
当社が長年培ってきた液晶ディスプレイ技術と、世界で初めて量産に成功したIGZOを融合させることにより、飛躍的な低消費電力化をもたらす「液晶アイドリングストップ駆動」を実現しました。
今後もIGZOの持つポテンシャルを最大限に生かし、環境性能の向上を追求します。
太陽電池セルで世界最高変換効率37.9%を達成

3つの光吸収層を積み重ねた化合物3接合型太陽電池セルで、世界最高変換効率※4となる37.9%※5を達成しました。
化合物太陽電池セルは、インジウムやガリウムなど、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を持つ変換効率の高い太陽電池です。当社が開発した化合物3接合型太陽電池セルは、インジウム・ガリウム・ヒ素をボトム層として、3つの層を効率よく積み上げて製造する独自の技術を採用しています。
今回、ボトム層を形成するインジウム・ガリウム・ヒ素の組成比を最適化することで、太陽光の波長に合わせてより効率的に光を吸収できるようになり、世界最高変換効率※4の37.9%※5を達成しました。今後は、レンズで集光した太陽光を電気に変換する集光型発電システム用や人工衛星などの宇宙用・移動体用など、様々な用途での実用化を目指します。
※4 2013年4月24日現在、研究レベルにおける非集光太陽電池セルにおいて(当社調べ)。
※5 2013年2月、産業技術総合研究所(世界の太陽電池の公的測定機関の一つ)により確認された数値(セル面積:約1cm2)。
太陽エネルギーと化合物3接合型太陽電池の感度の波長分布

集光型太陽電池セルで世界最高変換効率44.4%を達成
レンズで集光した太陽光を電気に変換する集光型化合物3接合太陽電池セルで、世界最高変換効率※644.4%※7を達成しました。
太陽電池セルを形成する材料や光吸収層の3層構造は前述の化合物3接合型太陽電池セルと同様ですが、レンズで集光した太陽光を小面積の太陽電池でエネルギー変換することにより化合物の使用量を大幅に削減でき、低コスト化が可能になります。今回、受光面と電極を繋ぐコンタクト層の幅を電極幅と同一にすることで受光する面積を広げ、世界最高変換効率44.4%を達成しました。
現在、化合物太陽電池は主に人工衛星などに使用されていますが、今回の開発成果をもとに、今後は地上用途への展開を目指します。
※6 2013年6月14日現在、研究レベルにおける集光型太陽電池セルにおいて(当社調べ)。
※7 2013年4月、ドイツのフラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所(世界の太陽電池の公的測定機関の一つ)により、集光倍率302倍の条件において確認された数値(セル面積:約0.165cm2)。

※8 InGaP:インジウムガリウムリン、GaAs:ガリウムヒ素、InGaAs:インジウムガリウムヒ素
トンネル接合層:金属のように電流が流れる半導体の接合層、バッファ層:形成層間の異なる格子定数を緩和する層。
開発担当者の声
化合物3接合太陽電池は、実際には組成の異なる半導体層を数十層積み重ねた構造になっています。その一つ一つの層を最適化することによって、世界最高効率を作り上げることができました。
これらの太陽電池が砂漠などの過酷な地域で使用されて、少しでも環境改善につながる事を夢見ながら、更なる効率向上をめざしていきたいと思います。
プラズマクラスター洗濯乾燥機(ES-Z100)が業界最高水準の省エネ・節水を実現
シャープの家庭用ドラム式洗濯乾燥機「プラズマクラスター洗濯乾燥機(ES-Z100)」は、熱エネルギーのロスが少ない独自のヒートポンプと、温度と湿度で衣類の乾き具合を検知するダブルセンサー制御で、業界最高水準※9の省エネを実現しています。また、本機は限られたスペースにびっしりと種をつける“ひまわりの種”の螺旋配列を応用した「ひまわりガラス」をドアガラス内側に採用。従来のドラム内側に加え「ひまわりガラス」の凹凸による「全方向スクラブウォッシュ」によって洗浄力を高め、業界最高水準※9の洗濯スピードと節水を実現しました。
こうした技術が評価され、平成24年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)※10において「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。
※9 洗濯9kg/乾燥4.5kgクラスの洗濯乾燥機において。洗濯〜乾燥6kg:消費電力量610Wh。洗濯9kg:使用水量59L、目安時間約29分。2013年1月25日現在。(数値は日本電機工業会自主基準による)
※10 財団法人省エネルギーセンターが主催し、企業や自治体などにおける優れた省エネ活動や、先進型省エネ製品などを表彰する顕彰制度。

開発担当者の声
私は主にひまわりガラスの開発を行いました。開発経験が浅く、高い洗浄性能を実現するひまわり配列の着想や、試作の検討にあたっては大変苦労しましたが、経験の豊富な周囲の方々のバックアップをいただき、業界最高水準の洗濯スピードを実現した商品を世に出すことができました。
これからもこの商品のような当社の進んだ省エネ技術や洗浄技術を、新興国をはじめ世界中のお客様に届けたいと思っています。











