取組事例1 生産排水リサイクル
液晶パネルの生産工程(洗浄等)で発生する排水は、その工程により大きく4つ(中性系、希酸系、有機系、無機系)に分かれます。中性系排水と希酸系排水は何度も繰り返してリサイクルし、コストダウンにも繋がっています。有機系排水はトイレや冷却塔※1の補給水として利用、無機系排水は適切に処理した後に公共下水道へ放流しています。
※1 空調用の設備
※2 有機物や微粒子、気体などを取り除かれた水
- 生産排水リサイクルの歴史
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天理工場は、シャープで初めて生産排水のリサイクル処理設備を導入した工場です。電子部品や液晶パネルの生産拡大に対応しながら「環境にやさしい工場」を目指すための取り組みでした。天理工場のノウハウはその後、亀山工場(三重県亀山市)など他の工場へと受け継がれ、進化していきました。いわば天理工場はシャープの生産排水リサイクル処理のパイオニアなんです。
天理環境安全推進部 安成 諭(水処理設備担当)
① 中性系排水処理
中性系排水は汚れを含んでいるため、UV(紫外線)酸化処理やろ過処理し、リサイクルします。
- ※1 消毒、殺菌などに使われる
- ※2 ミクロンフィルターの略称で 、微少な物質を取り除くため、細かい穴があいている膜
- ※3 水中に浮遊し、水に溶けない汚濁物質
② 希酸系排水処理
希酸系排水はごくわずかな酸を含んでいるため、イオン交換※を用いて中和し、リサイクルします。
※ 物質(イオン交換樹脂等)がイオンを取り込み、代わりに自らが持つイオンを放出する現象
③ 有機系排水処理
有機系排水は有機物を含んでいるため、生物処理やろ過処理後、トイレや冷却塔で再利用します。