シャープの環境に配慮したモノづくりへのこだわりや開発の苦労話を開発担当者に聞く、シリーズ「ココにもエコ」。
今回はサイクロンふとん掃除機Cornet(コロネ)<EC-HX100>の開発を担当した4人にインタビューします。
(聞き手:「ココにもエコ」編集担当)
最近注目されているふとん掃除機、私も欲しいなと思っているんですが、いろんな機種があって良くわかりません(+_+)手塚さん、教えてください!
手塚(商品企画担当):電気屋さんに行くとたくさんのふとん掃除機が並んでいますよね。今回は当社のふとん掃除機「コロネ」の魅力を徹底解説します!
ココにもエコなお話も、ぜひよろしくお願いしますm(_ _ )m
手塚:もちろんです。エコは「コロネ」の原点ですから♪
堀元(性能評価担当):エコと言えば、「コロネ」は普通の掃除機では厄介者であった“あるもの”を上手く使って、ふとんにいるダニを吸い取ってくれるんですよ。
商品性能の検証を担当する堀元さん。5000匹のダニを飼って、効果を調べたそうです。
ふとんのダニですか・・・詳しく聞いたらふとんで寝れなくなりそうです(>_<;)
堀元:ご存じの通り、清潔にしているつもりでもふとんにはダニが棲みついています。ダニの寿命は約1か月で、雌の個体はその間に100個ほどの卵を産むそうです。そう考えると・・・ダニは増え続けますよね。よくご家庭ではふとんの天日干しをされると思いますが、一般的にダニを退治するにはふとん全体の温度を60℃以上にすることが必要と言われています。でも天日干しではなかなかその温度には達しないので、退治が難しいんです。
先ほどの話では、掃除機の厄介者を上手く使ってダニを吸い取ると言っていましたが、一体何を使っているんですか??
手塚:普段のお掃除を思い出してください。ほら、掃除機の後ろの方からでている・・・あの温風ですよ。
有馬(設計担当):あの温風のもととなる熱はモーターが発するものなんです。掃除機の運転時はモーターが熱を持つため、吸引した空気によって冷やす構造になっています。このモーターを冷やした空気は、温風となって排出されますが、コロネではこの温風を活用しているんです。
手塚:それまで無駄にしていた厄介者の温風を再利用することで、新しい発想の商品ができたんです。
まさにココにもエコ! でもちょっとまってください、ダニ退治には60℃以上が必要って言ってましたよね?掃除機の温風はそんなに熱くないんじゃないですか?
堀元:気づきましたか!そこがコロネ最大のミソなんです!
手塚:社内ではコロネの開発が決まる前から、ダニの研究を始めていました。その中でダニは「40℃以上の熱を嫌って逃げ出す」という忌避(きひ)行動の習性を見つけたんです。
有馬:ダニを死滅させるために60℃を超える温風を出し続けようとすると、ふとんへの悪影響などの課題がありましたが、忌避行動であれば40〜60℃の温風をコントロールすれば十分です。ダニ退治のヒントを得て部内が実現に向けて走り出し、そして当社独自の「ヒートサイクロン」が生まれたんです。
ふとん掃除機の企画を担当している手塚さん。
ダニを死滅させずに、しかも逃がしてしまっていいんですか(゚д゚)?!
堀元:もちろん逃がしはしません(笑)40℃以上の温風を嫌がってその場所から爪を離して逃げようとするダニを強力な吸引力でダストカップに吸い込み、遠心分離サイクロンの高速旋回気流によって粉々に砕いて99%以上※1死滅させます。
※1 【試験機関】(株)ビアブル 【試験方法】生きたヒョウヒダニを寝具上に散布し本機で吸引し、ダストカップ内ダニ死滅率を測定 【試験結果】99%以上死滅。
なるほど。熱でやっつけるのではなく逃がすという、発想の転換がミソなんですね。
それにしても堀元さんは、ダニに詳しいですね。
堀元:何を隠そう、実際にダニを5000匹飼育して、その習性を日々顕微鏡で観察し研究していますから。温風でダニが逃げ出すのもこの目で確認していますよ!その映像がこちらです。
堀元:もちろん、ダニを専門に研究している機関やふとんを製造している会社にお話を伺って学術的な裏付けをとったり、さらにはダニやアレル物質(ダニのふん・死がい)の除去効果も検証いただきました※2※3。