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電卓や液晶ディスプレイのように太陽光発電を世界中の誰もが利用できるように

シャープは1964年に世界初のオールトランジスタ電卓を商品化し、1973年には世界で初めて液晶ディスプレイをポケット電卓に搭載しました。電卓も液晶ディスプレイも、技術革新によって性能を向上させるとともに低価格化を実現し、世界中に広く普及しています。そしてシャープは今、来るべき再生可能エネルギーの時代に向けて、太陽光発電を世界中の誰もが利用できるように、全力で取り組みを進めています。

イタリア最大の太陽電池工場の開所式を開催 3Sun社が運営する最先端薄膜太陽電池工場の外観

2011年7月8日、イタリアのカターニアにおいて、シャープ株式会社およびエネル・グリーン・パワー社(以下EGP社)、STマイクロエレクトロニクス社(以下ST社)の合弁会社3Sun S.r.l.(以下3Sun社)が運営する最先端薄膜太陽電池工場の開所式を開催しました。

イタリア最大の電力会社エネル社のグループ会社。イタリアおよび世界各国で再生可能エネルギーの発電事業を展開している。

開所式には、ロンバルド シチリア州知事、カスティリオーネ カターニア県知事、スタンカネッリ カターニア市長にご臨席いただき、当社をはじめエネル社、EGP社、ST社、そして3Sun社の幹部が出席しました。 この工場の第1次展開における年間生産能力は160MW、今後数年間で年間480MWまで増強を図ります。また、この工場はイタリアで最大、欧州においても最大級の薄膜太陽電池工場になります。

シャープは、太陽電池の開発・生産から太陽光発電システムの設計、太陽光発電所の建設とメンテナンス、さらには独立発電事業に至る太陽光発電のトータルソリューション事業を世界各地の消費地で手掛けることで、太陽光発電の本格的な普及に貢献する考えです。
この工場はその一環として重要な役割を果たします。

開所式を開催

次の時代に求められるものを先駆けて開発し、普及させる。太陽光発電の取り組みをご紹介する前に、シャープがこれまでに手掛けてきた事業の一端を、電卓と液晶ディスプレイを例に以下に簡単にご紹介しましょう。

いつでも、どこでも、誰にでも使える計算機の開発、そして夢の壁掛けテレビへ

今から約半世紀前の1960年、若手技術者たちの自発的な提案を契機として、シャープは、いつでも、どこでも、誰にでも使える計算機の開発をスタートしました。

幾多の試行錯誤を経て1964年に世界で初めてオールトランジスタ・ダイオードによる電子式卓上計算機を商品化、続いて世界初のIC/LSI電卓(1967/1969年)や液晶ポケット電卓(1973年)などを次々に商品化しました。

電卓の小型化、低消費電力化への革新的な取り組みは、電卓の世界的な普及を促進し、開発の過程で確立した技術は、その後のエレクトロニクス産業の発展に大きく貢献しました。シャープにおける電卓の先駆的開発は、2005年12月に世界的な電気・電子学会であるIEEE※1より、権威ある『IEEEマイルストーン※2』に認定されています。

IEEEマイルストーンの銘板(右後)と、小型化、低消費電力化に対する革新的取り組みが高く評価されたシャープの電卓。 左からオールトランジスタ電卓CS-10A、IC電卓CS-16A、LSI電卓QT-8D、液晶ポケット電卓EL-805
※1
アメリカに本部のある世界最大の電気・電子技術者による非営利団体組織(学会)であり、「アイ・トリプル・イー」と称されています。世界中で395,000人以上に及ぶ会員を擁し、コンピューター、電子、通信、電力、航空、バイオな どにおいて、先端的な取り組みがなされ、各々の技術分野で指導的な役割を担っています。
※2
『IEEE マイルストーン』
IEEEが、電気・電子・情報・通信の関連分野において達成された画期的なイノベーションの中で、社会や産業の発展に貢献したと認定される歴史的偉業を表彰する制度として、1983年に制定したものです。これまでボルタ電池やフレミングの二極管など世界で約110件がマイルストーンに認定されています。日本ではシャープの電卓(2005年)と太陽電池(2010年)をはじめ、八木アンテナ(1995年)、東海道新幹線(2000年)、セイコークオーツ(2004年)、関西電力黒部川第四発電所(2010年)など14件が認定されています。

『IEEEマイルストーン』認定(電卓)

液晶ポケット電卓EL-805(1973年) 単3電池1本で100時間使用可能。1枚のガラス基板上に液晶、LSI、配線などを集約し、大幅に小型化。■ 第1号電卓(1964年)と液晶電卓(1973年)の比較

ディスプレイに液晶を採用したことは、卓上型からポケット型へと電卓の進化を加速させました。また、液晶ディスプレイはその後、さらなる技術開発と用途開発により、情報機器、AV機器、通信機器などに幅広く使われるようになりました。

その中でシャープの技術者たちは、液晶による夢の壁掛けテレビの開発にこだわり、粘り強く技術革新を重ねて、その夢を実現しました。液晶テレビは電卓と同様に、シャープをはじめとする開発メーカーが技術革新を競う中で、画質、薄型・軽量性、省エネ性などが著しく向上するとともに低価格化が進み、今日では世界中の人々に愛用されています。

■ ブラウン管テレビ(2000年)と液晶テレビ(2001年、2011年)の比較
品種 機種名 ブラウン管テレビ 32C-HE1 液晶テレビ LC-30BV3 液晶テレビ LC-32V5
画面サイズ 32型 30V型 32V型
発売年月 2000年9月 2001年11月 2011年3月
サイズ W 99.9 D 55.3 H 54.9 cm W 100.2 D 9.6 H 49.7 cm W 77.4 D 6.0 H 49.2 cm
質量 約63 kg 約18 kg 約9 kg
消費電力 224 W 154 W 74 W
液晶テレビLC-30BV3のサイズと質量は、ディスプレイ部、スピーカー装着時。
液晶テレビLC-32V5のサイズと質量は、ディスプレイ部+スピーカー部。
無限にある太陽光で電気をおこす

シャープが太陽電池の研究を始めたのは今から半世紀以上も前、1959年に遡ります。当初から創業者 早川徳次は研究室に足を運び、強い関心を寄せていました。その想いは、往時の自著にも紹介されています。「無限にある太陽熱や太陽光線で電気をおこすことを工夫すれば、人類にどれだけ寄与するか、はかり知れないものがある」(「私の考え方」1970年)。早川は、未来の技術について語る際、いつも最初に太陽電池を取り上げていました。

太陽電池の研究開発は、こうした創業者の想いの下で進められ、1963年には単結晶太陽電池の量産化に成功しました。しかしながら、当時の太陽電池は高価で、主な用途は灯台用に代表される電力の届かない場所での独立型の電力源でした。1966年には当時世界最大の灯台用太陽発光電システムを海上保安庁に納入し、長崎県尾上島灯台に設置されました。そして、1976年には日本初の実用衛星「うめ」にシャープの太陽電池が搭載されました。これまでにシャープの太陽電池は、160基以上の人工衛星と2,500箇所以上の灯台で使われています。

激しい風雨にさらされる灯台や温度差の著しい宇宙という苛酷な環境下で、シャープの太陽電池は信頼性を実証してきました。そしてその技術は、その後の住宅用システムなどの開発に幅広く生かされ、世界各地で活躍しています。

当時のシャープの太陽電池の商業化と産業化への取り組みは、前述の電卓の先駆的開発に続いて、2010年4月にIEEEより、『IEEE マイルストーン』に認定されています。

『IEEEマイルストーン』認定(太陽電池)

グリッドパリティの実現をめざして

太陽光発電への半世紀を超える取り組みの結果、シャープの2010年末までの太陽電池累計生産量は4.3GW(ギガワット)に達しています(下左図)。住宅一軒あたり4kWの太陽電池を設置したとすると、100万軒を超える規模に相当します。

■ シャープの太陽電池累計生産量 ■ 世界の電力需要予測

太陽光発電の中長期的な需要動向については、EREC(欧州再生可能エネルギー評議会)による「世界の電力需要予測」(上右図)で、太陽光発電が2040年には世界の電力需要全体の25.1%を占めると予測されるなど、グローバルに拡大が進むものと期待されています。

しかしながら、太陽光発電を本格的に普及させるためには、「グリッドパリティ」すなわち「既存電力並みの発電コスト」の実現が不可欠です。
シャープは50年を超える太陽電池の研究開発の中で、継続してコストダウンに挑戦してきました。結晶太陽電池の変換効率を高め、シリコンの厚さを減らし、生産技術の革新に取り組んできました。また、シリコンの使用量が少なく、生産プロセスが短いことなどから、コストダウンの余地が大きいとされる薄膜太陽電池の開発も進めてきました。

結晶太陽電池は変換効率が高く、設置面積が限られる住宅向けなどの用途に適しています。一方、薄膜太陽電池は高温下での変換効率の低下が少ないことから、温暖地域の大規模発電システムに適しています。それぞれの特性を活かすことで、グリッドパリティの早期実現をめざします。

「グリーンフロント 堺」の太陽電池工場 太陽光発電を世界中の人々に

「グリーンフロント 堺」に新設した太陽電池工場では、2010年から薄膜太陽電池を生産しており、2011年3月には新型高効率単結晶太陽電池の生産を開始しています。今後この工場をマザー工場として、世界各地の消費地に、現地のニーズに合わせて工場を展開する考えです。

また、シャープは、太陽電池の材料からセル、モジュールの開発・生産、システム設計、メガソーラー発電所の建設、さらには太陽光独立発電事業に至るまで、バリューチェーン全体を手掛けるトータルソリューション事業を世界各地で進めています。

欧州では2010年7月にEGP社と太陽光独立発電事業の合弁会社を設立しており、すでに2011年3月から発電事業を開始しています。今後2016年末までに累計500MW以上の規模となる複数の太陽光発電所を建設し、地中海地域を中心に、欧州や中東、アフリカで発電事業の展開を計画しています。これらの太陽光発電所に設置する太陽電池は、冒頭でご紹介したイタリアの薄膜太陽電池工場で生産し、供給する計画です。

シャープは、技術革新への挑戦に加えて、世界各地で現地の有力企業と連携して「地産地消」の太陽光発電事業を幅広く展開します。そしてその経験を通してトータルソリューションカンパニーとしての知見を高め、世界各地で「グリッドパリティ」の実現に貢献します。
太陽光発電を世界中の誰もが利用できるように普及させるべく、全力で取り組みを進めます。

タイ王国の世界最大級73MWのメガソーラー発電所完成予想図

生物多様性保全への取り組み

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