持続可能な社会の実現をめざして<br />創エネ事業と省エネ商品をグローバルに展開し、広く世界の文化と福祉の向上に貢献します。

1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(通称:地球サミット)において、地球環境の破滅を避けるための方法として、「持続可能な開発」という概念を世界が共有しました。そしてこれを機に世界中の国が、企業が、人々が、環境保全への取り組みを加速しました。しかしながら、今日まで約20年間の成果は限定的であり、このかけがえのない美しい地球を次の世代に引き継ぐためには、さらなる人類の英知と行動が必要であり、そこにおいて、企業が果たすべき役割は、極めて重要であると言えます。

持続可能な社会の実現をめざして

 シャープは2012年に創業100周年を迎えました。

 シャープのこれまでの事業を振り返ると、創業当時、和服から洋服への時代変化を先取りして発明したベルトのバックル(1912年)や早川式繰出鉛筆(シャープペンシル、1915年)、ラジオ放送の開始に合わせて商品化した国産第1号鉱石ラジオ(1925年)、テレビ放送の開始に合わせて量産化した国産第1号白黒テレビ(1953年)、将来有望なエネルギー源として目をつけ、逸早く研究をスタートし(1959年)、量産化に成功した太陽電池(1963年)、一般の人が手軽に計算機を使う時代をめざして開発した世界初のオールトランジスタ電卓(1964年)、電卓の小型化をめざし、世界で初めてポケット電卓の表示デバイスとして実用化に成功した液晶ディスプレイ(1973年)、夢の壁掛けテレビを実現した液晶カラーテレビ(1991年)など、常に時代の要請に先駆けて、逸早く技術開発に取り組み、その技術を商品の形で世の中に提供することで、新たな暮らしの実現に貢献してきたことがわかります。

 そして今、シャープが手掛けている事業の多くは、今日の時代の要請である持続可能な社会の実現に貢献するものです。

 この特集では、その中から代表的な事業を、「太陽光発電による創エネで、再生可能エネルギーの時代を切り拓く」、「省エネのディスプレイで、豊かなコミュニケーションを実現する」、そして、「創エネと省エネで、人と地球にやさしい健康で安全な暮らしを提供する」という3つの切り口から、ご紹介します。

シャープ製薄膜太陽電池を用いたタイ王国の世界最大級73MWのメガソーラー発電所 衛星画像提供:DigitalGlobe

太陽光発電による創エネで、再生可能エネルギーの時代を切り拓く

 国際エネルギー機関(IEA)の発表によると、2011年の世界のCO2排出量は過去最高の316億トン(前年比3.2%増)を記録しました。この数字は、化石燃料の消費によって排出されるCO2で、温暖化ガス全体の約9割を占めるとされています。新興国の経済成長による排出増が続いており、「産業革命前と比べて地球の気温上昇を2度以内に抑える」という、世界が共有する目標の達成が、ますます困難になっています。

 解決策として、世界各国で再生可能エネルギーの導入が進められていますが、その進捗をさらに加速する必要があると言えます。

 シャープは代表的な再生可能エネルギーである太陽光発電の研究を今から50年以上前、1959年に逸早く開始しました。創業者 早川徳次は「無限にある太陽熱や太陽光線で電気をおこすことを工夫すれば、人類にどれだけ寄与するか、はかり知れないものがある」と考え、未来の技術を語る際、いつも最初に太陽電池を取り上げました。こうした早川の想いのもと、シャープは1963年に太陽電池の量産化に成功、以来、単結晶、多結晶、薄膜、化合物といったさまざまなタイプの太陽電池を開発・商品化し、灯台用から人工衛星用、産業用、住宅用、メガソーラー用と幅広い用途に展開して技術と信頼を蓄積してきました。

「グリーンフロント 堺」の太陽電池工場(2010年3月稼動) シャープとイタリア最大の電力会社エネル社のグループ会社エネル・グリーン・パワー社が設立した太陽光独立発電事業の合弁会社「Enel Green Power & Sharp Solar Energy S.r.l.」が建設して発電を開始したメガソーラー発電所(イタリア・カラブリア州)。イタリアでは他に5か所に建設して稼動中。同社は今後欧州だけでなく、中東やアフリカでも発電事業を展開する計画。
イタリアの薄膜太陽電池工場(2011年12月稼動)

 「グリーンフロント 堺」の太陽電池工場では、最新の技術を用いて薄膜太陽電池と単結晶太陽電池を生産しており、この工場をマザー工場として、世界の消費地に工場を展開する計画です。すでに最大の消費地である欧州のイタリアでは、現地の有力企業との協業により、同国最大の薄膜太陽電池工場を稼動しており、そこで生産した薄膜太陽電池を用いてメガソーラー発電所を建設し、発電を開始しています。

 太陽光発電の本格的な普及には、「グリッドパリティ(既存電力並みの発電コスト)」の実現をめざした、さらなるコストダウンが必要です。シャープは、太陽電池セル・モジュールの開発・生産、システム設計、メガソーラー発電所の建設、さらには独立発電事業に至る、ソーラーのトータルソリューション事業を世界各地で進めています。また、太陽電池の変換効率を高める研究開発にも注力しており、これまでに集光型太陽電池セルで、世界最高※1変換効率43.5%を達成しています。

 シャープは太陽光発電への取り組みで、再生可能エネルギーの時代を切り拓きます。

※1 2012年6月現在

省エネのディスプレイで、豊かなコミュニケーションを実現する

JR大阪駅

 今日では誰もが当たり前に利用している液晶ディスプレイ。テレビをはじめスマートフォンやタブレット端末、複写機の表示部など、身の回りの製品には多様な液晶ディスプレイが使われており、モノクロの文字から高精細なフルカラーの動画に至るまで、さまざまな情報を表示しています。薄型・軽量・省エネの液晶ディスプレイはモバイル機器に活用され、インターネットやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などの普及によって、簡単に世界中の情報や知見にアクセスし、意見を交換し、コミュニケーションを図るためのディスプレイとして、無くてはならない存在になっています。また、屋内で用いる大型サイズのディスプレイとしても、薄型・軽量・省エネで高精細な液晶ディスプレイは広く使われています。

 この液晶ディスプレイを実用化するための研究を、シャープは今から約40年前の1969年に始めました。きっかけは当時多くのメーカーが電卓の小型化と低価格化にしのぎを削る中、可能な限り低消費電力で薄型の表示デバイスが必要であったということにあります。技術者の粘り強い研究により、4年後の1973年に、シャープは世界で初めて、液晶ディスプレイを採用したポケット電卓の開発に成功しました。圧倒的な省エネ性能により、単3電池1本だけで100時間使用できるようになり、ポケットサイズという大幅な小型化が実現しました。

 シャープはその後も液晶ディスプレイの研究開発に取り組み、数字・文字表示から画像表示へ、モノクロからカラーへ、静止画から動画へ、より大きく高精細な画面へ、より薄く、軽く、省エネに液晶ディスプレイを進化させながら、用途の拡大を進めました。そして、シャープの技術者が夢に描いたのが、「壁掛けテレビ」の開発でした。ブラウン管テレビを薄型・省エネの液晶テレビに置き替え、人々に新しいライフスタイルを提供したいと考えたのです。

 その結果はご承知の通り。これまでに世界中の何億台ものテレビが液晶テレビに置き替わり、新たなライフスタイルと圧倒的な省エネ、省資源を実現しています。

AQUOS LC-80GL7

80V型液晶テレビAQUOS LC-80GL7。画面は番組情報とネット情報を一覧表示して簡単に選べる「ビジュアル モーションガイド」※2。最下段には新ネットサービス「AQUOS City」のメニューがあり、離れて暮らす家族のテレビ使用状況を電子メールでお知らせする見守りサービスや各種生活サポートサービス、情報サービスが用意されています※3

※2 サービス画面はイメージです。サービス内容は変更になる場合があります。また、番組名は架空のものです。

※3 詳しい内容は製品詳細情報をご覧ください。インターネットサービスの利用には、ブロードバンド回線や各種設定が必要です。回線業者やプロバイダーとの契約・使用料が必要です。

AQUOS LC-80GL7 製品詳細情報

タッチディスプレイ「BIG PAD」を用いたテレビ会議や打合せ。コミュニケーションのスタイルがこれから大きく変わっていきます。

 シャープは液晶ディスプレイのさらなる進化に取り組んでいます。このほど(株)半導体エネルギー研究所と共同で、酸化物半導体(IGZO)の新技術を開発しました。この技術によって、液晶ディスプレイは、より一層の高精細化と低消費電力化、タッチパネルの高性能化を実現します。さらに、有機ELディスプレイへの応用も可能です。

 シャープは省エネ・高精細のディスプレイで、豊かなコミュニケーションを実現します。

新IGZO液晶ディスプレイ(試作品)(左:4.9型スマートフォン向け)(右:6.1型モバイル機器向け) 第2工場で酸化物半導体(IGZO)を用いた液晶パネルの生産を開始した亀山工場(三重県亀山市)。

創エネと省エネで、人と地球にやさしい健康で安全な暮らしを提供する

 シャープは地球の資源を利用し、エネルギーを使って製品を創っています。また、その製品をお客さまがお使いになることで、さらにエネルギーが消費されます。資源の循環利用と温室効果ガスを増やさないエネルギーの利用は、シャープにとって重要な課題です。

 資源の循環において、シャープは使用済み商品のリサイクルを進めているのに加え、プラスチックを何度も繰り返し再生利用する技術を独自に開発し、着実に再生利用量を拡大しています。また、亀山工場では2004年の操業当初から生産工程の水を100%リサイクルしています。さらに、国内の工場では廃棄物の再資源化を徹底し、2001年度から11年連続でゼロ・エミッションを達成しています。

 また、エネルギーについては、工場での生産をはじめとするあらゆる事業活動において省エネを徹底し、温室効果ガスの排出を抑制する一方、太陽電池の生産を拡大するとともに、商品の省エネ性能を高めることで、温室効果ガスの削減に貢献する取り組みを進めています。2011年度には、太陽電池の創エネと商品の省エネによる削減貢献量が、事業活動による排出量の3.1倍に達しました。2012年度からは、新たな目標を設定して温室効果ガスの削減に取り組んでいます。

ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の実証実験を進めている「グリーンフロント 堺」のシャープ・エコハウス 専用のタブレット端末で、タップに接続した家電機器ごとの消費電力をリアルタイムに確認できる「電力見える化システム」JH-RTP1/JH-RTP2のイメージ。 掃除機能とプラズマクラスターを搭載し、お部屋をキレイにするロボット家電「COCOROBO」RX-V100。「人工知能」「音声認識」「センサー」「スマートフォン連携」などの先進機能により、対話操作や簡単なあいさつなどのコミュニケーション、外出先からお部屋の様子の観察などができ、快適で安心感のある暮らしを提供します。(写真はイメージです)

 先進国が豊かさを維持し、新興国や発展途上国がさらに成長するためには、有限でCO2の排出にもつながる化石資源に依存しない創エネと、エネルギーを無駄なく使う省エネが不可欠です。

 シャープはこれまで長年にわたり蓄積してきた独自の技術をもとに、太陽光発電による創エネ事業と省エネ商品の開発、そして、エネルギーを最適に制御するマネジメントシステムの開発を進めています。「グリーンフロント 堺」のエコハウスでは、ホームエネルギーマネジメントシステムの実証実験を進めています。また、千葉県の「柏の葉スマートシティ」をはじめ、世界各地でスマートコミュニティのプロジェクトに参加しています。

 また、シャープは空気を浄化する技術の開発も進めています。「プラズマクラスター」技術は、空気中の浮遊ウイルスの作用を抑え、浮遊カビ菌等を空中で除去する独自の技術です。これまでに、搭載商品とイオン発生デバイスを合わせて国内外に4,000万台以上出荷しています(2012年6月末時点)。

 シャープは、独自の技術をもとに、世界の有力なパートナーと協力して、創エネと省エネで、人と地球にやさしい健康で安全な暮らしをグローバルに提供することで、広く世界の文化と福祉の向上に貢献するとともに、持続可能な社会の実現をめざします。

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