<特集>
徹底したお客さま視点で技術を磨き、
世界中の人々に新しい価値と喜びを提供し続けます
シャープは創業以来、「誠意と独自の技術をもって、広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」という経営理念のもと、「世の中に無い」「他からまねされる」モノづくりを身上としてまいりました。今、再びその原点に立ち戻り、徹底したお客さま視点で技術を磨き、世界中の人々に新しい価値と喜びを提供し続けてまいります。
社会的課題の解決に貢献する視点で事業を推進する
新しい価値と喜びを提供するには、その時代における社会の環境やニーズの変化を踏まえることが必要です。便利で豊かな生活につながるものという点はいつの時代でも共通ですが、CSRが重要視されている現在、企業は「顧客志向」の考え方をさらに広く深くとらえ、事業活動によって社会的課題の解決に貢献し、社会と企業の双方の持続可能な発展をめざすことが大切であると考えます。
シャープはこれまで、液晶、太陽電池、プラズマクラスターイオン、通信機器、ドキュメント等の既存事業においても、「社会的課題を解決する」という視点を持ち、次のような製品を開発・生産し、世の中に提供しています。
地球環境問題への対応
地球温暖化は全世界的な問題であり、その原因の一つとされるCO2を増やさずに発電できる再生可能エネルギーへの期待が高まっています。シャープは住宅用太陽光発電システムからメガソーラー発電所まで、太陽光発電関連事業を幅広く展開しています(詳細は、環境活動「太陽光発電関連事業の推進」をご参照)。また、米国ニューメキシコ州アルバカーキ市でのスマートグリッドの日米共同実証プロジェクトへの参画など、新たな電力供給システムの構築に向けた取り組みも進めています。さらに、次世代に向け、世界最高変換効率(44.4%※1)の集光型化合物3接合太陽電池セル(レンズで光を集めて太陽光を電気に変換)の開発に成功しました(詳細は、環境活動「低炭素社会に貢献する環境技術」をご参照)。
※1 2013年6月現在

また、省エネルギーに関しては、全ての製品において消費電力の低減に継続的に取り組んでおり、その中でも特長的なものとして、動植物の仕組みや構造を工業製品に応用するネイチャーテクノロジーがあります。例えばトンボやアホウドリ、イヌワシなどの羽の形をヒントにして、効率良く送風できるファンを設計し、エアコンに搭載しています。加えて、循環する冷媒の一部をタンクに貯めて、急速に部屋を暖める時や、長時間一定温度で冷房する時などの運転状況に応じて冷媒の量を変え電力使用量を減らすエアコンなど、地球環境保全に貢献すべく、新しい発想で省エネを追求しています(詳細は、環境活動「2012年度の環境配慮型商品・デバイス事例」をご参照)。

当社の主要事業の一つである液晶ディスプレイでは、酸化物半導体IGZO技術を搭載した液晶ディスプレイを株式会社半導体エネルギー研究所との共同開発により量産化しました。従来の一般的な液晶ディスプレイに採用されているアモルファスシリコン(a-Si)液晶に比べて、静止画の場合の消費電力を5分の1から10分の1に減らし、液晶ディスプレイの省エネや長時間駆動に大きく貢献しています(詳細は、環境活動「低炭素社会に貢献する環境技術」をご参照)。

空気環境問題への対応
昨今、空気に対する安心・安全への関心はますます高まっています。シャープでは、空気中に浮遊するウィルスやカビ菌等の作用を抑える効果などがある独自のプラズマクラスターイオン技術を開発し、2000年の空気清浄機を皮切りに、その後もイオン発生機、エアコン、掃除機、洗濯機、冷蔵庫、ドライヤー、扇風機など生活で使われる多くの電化製品に搭載しています。また、自動車や電車などの移動空間、オフィスや図書館などの公共空間でも多く採用されるなど、2012年6月末時点でプラズマクラスター搭載商品の全世界累計販売台数は4,000万台を突破しています。


社会構造の変化に伴う問題への対応
先進国では、高齢化社会や核家族化の進展など、社会構造の変化に伴う問題が生じています。
シャープは、高齢の方にも簡単に安心して使っていただけるように、画面外に独立して設けた「電話」「ホーム」「メール」ボタンや機能を絞り込んだ大きなアイコンメニューなどを搭載したシニア向けのシンプルなスマートフォン(国内向け)を製品化しました。
さらに、新しく開発した、ジェスチャーセンサとRGB照度センサを搭載する超小型近接センサを応用すれば、画面に触れずに、手の動き(ジェスチャー)での操作が可能となり、スマートフォンなどの操作性と高画質の画面表示など、一層の使いやすさの向上を追求していきます。

また、ロボット家電 “COCOROBO” (ココロボ)は、ユーザーと簡単な対話をすることで親しみや癒しを提供するインターフェース「ココロエンジン」を搭載し、評価をいただいています。今後は、この「ココロエンジン」をさまざまな健康・環境家電に搭載し、音声メッセージや光で家事をしている人を励ましたり、便利な使い方や機能など暮らしのヒントになる情報を提供するなどのユーザーとのつながりを通して、ユーザーと健康・環境家電の新たな関係を構築してまいります。
さらに、 “COCOROBO” が、ユーザーと会話しながら、クラウドで自動的に集めた天気予報やニュースそして沿線などの情報から、会話に応じたものを選んで話してくれる、クラウド技術を用いたシステムの実証実験も東京急行電鉄株式会社さまと行っています。


近年、平日に住民票の写しや印鑑登録証明書の発行を受けるなどの公共サービスが利用しにくい、一人暮らし世帯が増加しています。一部の自治体では、休日や夜遅くに住民票の写しなどを近所のコンビニエンスストアのマルチコピー機で受け取ることができるサービスを始めており、シャープのマルチコピー機もこれに対応しています。さらに、スマートフォンからのデータを無線で受けて写真をプリントできるサービス、ネットワークに保存した文書などをコンビニエンスストアでプリントできるサービスなど、コンビニエンスストア各社と共同して、暮らしに役立つ仕組みを提案し、推進しています。
新たに重点5事業領域(インダストリーソリューション事業)を推進する
さらに、シャープは、既存の事業領域だけではなく、当社の独自技術や経験豊富な人材などのモノづくりの強みを梃子に、新規事業に取り組んでまいります。
2013年度から2015年度までの「中期経営計画」に掲げる重点事業領域は、「ヘルスケア・医療」「ロボティクス・エンジニアリング」「スマートホーム/モビリティ/オフィス」「食/水/空気の安心安全」「教育」の5つです。これら5つの領域を「インダストリーソリューション事業」と名付け、外部企業との提携を積極的に進めます。そして、この領域でも社会的課題の解決に貢献し、持続的な成長を長期にわたって続けていく考えです。

ヘルスケア・医療
ヘルスケア・医療のニーズに対しては、より高度な医療を簡便に受けることができるよう、これまでのX線フィルムを変える、新世代IGZO液晶ディスプレイ技術を使った「高精細X線イメージング診断システム」、血圧計・体重計などの健康機器とスマートフォンを連携させた「IT健康システム」、地域の医療機関に専門医の指導・助言や病院紹介に必要な情報を提供する「医療クラウドサービス」などの開発を推進しています。

ロボティクス・エンジニアリング

当社のロボット家電 “COCOROBO” を含め、社会でロボットの本格的な活用が始まっています。
シャープは液晶製造におけるガラス基板洗浄技術・搬送技術を応用し、ショッピングモールやオフィス、メガソーラー発電所などを美しく清掃するロボットを実用化し、人の安全面や労働環境の改善に貢献してまいります。
スマートホーム/モビリティ/オフィス
高速インターネットや無線通信、クラウド技術などのITインフラの普及・発展を背景に、さまざまな情報を活用して、暮らしや社会を支えるシステムの開発が盛んになっています。シャープは、タブレット端末で家庭の家電製品ごとの消費電力をリアルタイムに確認して省エネを助ける「電力見える化システム」や、一人暮らしのご高齢の方のテレビの操作情報を市や自治会が管理するパソコンに自動で送信し暮らしを見守る「クラウド見守りサービス」など、これからの社会をサポートするシステムを提案してまいります。


さらに、家族同士が簡単につながり、快適・省エネから安全・安心・コミュニケーションまでをカバーするクラウドホームマネジメントシステムの開発を進めています。例えば、クラウド上にある家族専用のコミュニケーションサービスを介して、外出先からロボット家電 “COCOROBO” と情報をやり取りして、エアコン、液晶テレビAQUOSなどを遠隔操作したり、 “COCOROBO” が離れて暮らす家族の情報を知らせたりします。このように、ロボット家電やクラウド技術を通じて、豊かな生活をサポートする仕組みの実現をめざします 。
食/水/空気の安心安全

日常生活での食/水/空気の安心安全を高めることは、近年大きく脚光を浴びている分野です。
シャープは、これまで、数日かけて培養し手作業で計測していた空気中のカビ菌や細菌などの量を、10分〜20分間隔で自動的に測定できる微生物センサーシステムを開発しました。食品工場や病院などでの空気の管理はもちろん、ご家庭での活用に向けた取り組みも推進しています。
また、LED照明や工場での水浄化システムなどの技術を応用した完全制御型の植物工場などにも焦点をあて、さまざまな分野での安心安全をサポートしてまいります。

教育
次代を担う子どもたちを社会をあげて育成することの大切さが認識されています。シャープは、子どもたちの学習への興味・意欲を高め、理解を深めることはもちろん、きめこまかく個々の進度に応じた学習を実現できるICT(情報通信技術)を駆使した教育について、当社のBIG PAD(電子黒板)やタブレット端末などを応用したソリューションシステムで貢献してまいります。
また、急成長する新興国や発展途上国での教師不足や派遣が難しい地域において、ネットワークとICT※2機器を使った遠隔授業システムなどで、世界中のあらゆる人々が均等に教育を受けられる環境づくりにも貢献してまいります。
※2 Infomation and Communication Technology

「社会の人々から必要とされる企業」をめざす
シャープは、経営理念および「誠意と創意」の経営信条に改めてしっかりと立脚し、2015年度までの中期経営計画に基づいて、ここで紹介した製品の開発に邁進してまいります。また、当社が保有する多種多様な技術は、これからも社会的課題の解決に貢献する特長的な製品の創出に応用できると考えています。この事業活動を通じて、シャープは「社会の人々から必要とされる会社」でありつづけることをめざします。











