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ニュースリリース 2008年5月15日

モバイル機器向け燃料電池の実用化に向けた要素技術を確立

ダイレクトメタノール型燃料電池において世界最高の出力密度を達成

 シャープは、モバイル機器向けのダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)において、世界最高※1の出力密度※20.3W/ccを達成しました。これにより、小さい電池体積で効率よく発電できることから、現在主流のリチウムイオン電池と同等の体積でより長時間連続使用が可能な燃料電池の実現が期待できます。今後、携帯情報端末や電子辞書、ノートパソコンなどモバイル機器向け燃料電池の実用化に向けて、より一層の研究開発を推進してまいります。

 燃料電池は、水素と酸素の化学反応によるエネルギーを利用しているため、地球環境への負荷が小さく、また化学エネルギーを直接的に電気エネルギーに変換するため発電効率も高いことから、次世代電池として期待されています。なかでもダイレクトメタノール型燃料電池は、メタノールを直接“発電部”に供給し、空気中の酸素と化学反応させて発電するシンプルな構造のため、小型化に適しています。こうしたことから、将来有望なモバイル機器向けに世界中で活発に研究開発が進められています。しかし、これまでは出力密度が低いため発電部が大きくなり、電池体積が大きくなるなど、課題がありました。

 このたび当社は、発電部におけるスタック※3の構造に注目し、微細加工による薄型セルを用いた「3次元高集積スタック(積層)構造」を開発いたしました。短冊状の薄型セルに一定の間隔を設けて平行に配置し、さらに短冊状のスペーサー(多孔質)をセルと交互に直交して積層した構造にすることで、単位体積あたりのセルの表面積を増大させ、かつ、均一な隙間領域を確保することで発電エネルギーの基となる空気をスムーズに対流させることが可能になりました。これにより、単位体積あたりの出力密度を世界最高の0.3W/cc(当社従来比で約7倍)まで向上させることができました。この要素技術をさらに追求し進化させることにより、一層の電池体積の小型化が見込め、現在主流のリチウムイオン電池と体積は同等でありながら、より長時間使用が可能な燃料電池の実現が期待できます。

今後、当社はこの要素技術開発をさらに推し進め、小型・長時間使用可能な燃料電池の実現に向け、鋭意取り組んでまいります。

1 2008年5月15日現在、パッシブ型ダイレクトメタノール型燃料電池の発電部における単位体積あたりとして。

2 単位はW/ccで、発電部(スタック)の単位体積あたりの出力

3 燃料電池の本体部分の一つの単位であり、複数の発電セルの集合体で構成される。

本内容は、2008年5月15日に開催される「第15回燃料電池シンポジウム」(主催:燃料電池開発情報センター、場所:タワーホール船堀(東京都江戸川区船堀))にて発表いたします。

(注)ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。

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