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MURAMASA STYLE

開発者インタビュー

PC-MV1

第二回目は、引き続きPC-MV1-C1W/C1H開発の技術部および企画部隊のリーダーを務めたシャープ株式会社 情報システム事業本部 パソコン事業部 技術部 副参事 木作洋氏と、パソコン事業部 商品企画部 主事 大槻隆志氏を招き、PC-MV1開発に秘められたテクノロジーやMURAMASAシリーズの今後の展開について話を聞きました。
第1回 PC-MV1シリーズの開発経緯とコンセプト
第2回 PC-MV1シリーズを生んだテクノロジーと今後の展開
開発メンバーのご紹介
シャープ株式会社 情報システム事業本部 パソコン事業部 技術部 副参事
木作 洋 氏
“薄さ”と“パフォーマンス”の両立を目指しました。
シャープ株式会社 情報システム事業本部 パソコン事業部 商品企画部 主事
大槻 隆志 氏
MURAMASA MV1シリーズで新しいモバイルライフを体験して下さい。
インタビュー
険しかった“スリム&ハイパフォーマンス”への道のり。チームワークがプロジェクトを動かした。
- MURAMASAシリーズの第2弾ということで、今回、PC-MV1-C1W/C1H開発に際し、薄さ・軽さについて具体的な数値目標などはあったのですか?
木作 当技術部隊に課せられた開発指令は、光ドライブ搭載で、“厚さ1インチ(25.4mm)・重さ2kg以内”でした。PC-MT1で採用したキャビネット一体薄型表示ユニットなどMURAMASAの技術的資産を最大限に活用することで、CD-R/RW&DVD-ROMドライブ内蔵ながら、目標をクリアする25.4mm/1.97 kgという薄型・軽量化に成功しました。25.4mmという数字は日本ではあまりぴんとこないかもしれませんが、海外展開していく上で、“1インチパソコン”という非常にインパクトのある製品になりました。また重さに関しては、CD-R/RW&DVD-ROMドライブ不使用時は同梱のウェイトセーバーと入れ替えていただけば、1.67 kgまで軽量化できます。
- 開発期間はどれくらいだったのですか?
木作 最初に話が出たのが去年の6月で、実際にプロジェクトになったのが8月、3月に量産ですから約8ヶ月ですね。実はこの商品、当初は5月に発売予定だったんです。
- 商品デビューが2ヶ月も前倒しになったんですか?よほどトントン拍子に開発が進んだのですね。
木作 それが全く逆で、プロジェクト開始当初は不安材料ばかりだったんです。それまで私たちのチームは「MebiusStyle」というテレビが見られる薄型の液晶を搭載した2ピースのデスクトップパソコンや、3ピースのデスクトップの開発をメインにやっていまして、ノートパソコンはほとんど初めてという人間ばかりだったんです。シャープ全体がモバイルPC分野へカテゴリシフトするにあたって、私たちにMV1シリーズ開発の白羽の矢が立ったんですね。また、PC-MV1の商品性はMURAMASAの兄貴分という位置づけですが、技術的には初代機をただ単にモディファイすればいいというわけでは決してなくて、先の液晶を除けば全く新しいアーキテクチャーで、キャビネットもキーボードもすべて1からの開発だったんです。時間がない、ノウハウがない、プレモデルがない、というないものだらけのスタートでした。とにかくメンバー同士のコミュニケーションを密にする必要がありましたので、担当者全員、毎朝8:30からミーティングをしました。各自とれたての実験データを持ち寄ってディスカッションし、1日刻みでスケジュールを組んでいきましたので、1日休むと話題についていけなくなるくらいでした。今回、PC-MV1-C1W/C1Hといういい商品を、しかも異例の2ヶ月前倒しで開発できたのは、チーム一丸となってプロジェクトを推し進められたことが勝因だと思っています。
“第2弾”だけど、1からの開発。立ちはだかったいくつもの壁
- 技術的に一番苦労されたのはどこですか?
木作 1GHz CPU搭載にあたっての放熱対策です。この薄い筐体の中に、ドライブがあって、バッテリーがあって、もちろんCPUもあるわけですから、いかに効率良く放熱するかはPC-MV1の運命を二分する非常に大きな問題だったんです。機構面でいうと、今回コンパクトさと冷却効率を併せ持つ放熱機構を新たに設計しました。また、ファンについては、見ての通り本体左上部分に2箇所の開口部を持つツインファン設計を採用しました。放熱の度合いを察知して自動的に回転数を制御するこのファンの仕組みも、今回新しく開発したものです。同クラスのモデルではまだ例のないギガヘルツクラスのCPU搭載ですので、MURAMASA PC-MT1シリーズにさらなるクロック数を求めるお客様を始め、モバイルパソコンをA4ノートサイズでお探しのお客様にも、ぜひ一度ご検討いただきたいハイパフォーマンス・マシンに仕上がりました。
- ワイヤレスLANの初搭載については問題はありませんでしたか?
木作 そこが二番目に苦労した点です。ハード面でいうと、ワイヤレスLANのアンテナは、キャビネット中央両側についている“耳”部に入っています。金属のマグネシウムを使ってアンテナを固定し、マグネシウム合金製の表示カバーが第一アースの役割を担うこのキャビネットの構造も、今回新規で開発しました。
ワイヤレスLANに関してはそういったハード面での調整に加えて、通信経路や電波の評価方法などにおいて、初搭載ならではの思考錯誤が必要でした。屋外での電波試験は今回、研究所裏手の田んぼを使って行ったのですが、担当者総出で、田んぼの中でMV1片手に50m、60mと叫んでいたのが印象深いエピソードとして残っています。ローテクと笑われるかもしれませんが、土地のない台湾では、同試験を海の上で、ミニボートを漕ぎながら行っているそうです。
- その他、ご苦労された点はありますか?
木作 全く新しいアーキテクチャーだったという話を先程しましたが、通常ですと、まず最初に回路図を引いて、それを元に「ブレッドボード」という実験用の基板をおこすんです。ノートPCの小さな筐体に収める基板には、当然のことながら色々と厳しい制約があるわけですが、ブレッドボードはそういう制約抜きに、とりあえず各パーツをゆったり置いてみて、動作確認をするためのものです。ところが今回、時間的な都合もあって、初めてこのブレッドボード抜きに、いきなり実寸で基板を制作する方法に挑みました。まさに一発勝負の、大チャレンジでした。
右側面にCD-R/RW & DVD-ROMドライブを搭載。
- 無事、成功したのですね。どうしてそういった定石を覆すような方法が可能になったのですか?
木作 効率化のキーとなったのは3D CADのフル活用です。今回、パソコン事業部では初めて、設計からカナ型の作成まですべてを3次元のCADを使って行いました。これは当社ドキュメント事業部・技術部の強力なサポートがあって実現することができました。
左上部にある2箇所の開口部。今回、新開発のツインファン設計を採用している。
モバイルは進化する。シャープ・MURAMASAでモバイルの世界拡がる。
- PC-MV1-C1W/C1Hに続く、今後のMURAMASAシリーズの展開について教えてください。
大槻 数字で見る限り、国内パソコン市場全体に占めるノートパソコンの割合は現在50%を超えていますが、実際にPCを持ち運んで使っているユーザーがどれくらいいるかというと、こちらについては、まだこれからどんどん伸びていくという段階です。ブロードバンドが普及し、ホットスポットやワイヤレスLANに代表される追い風が吹く中、パソコンを普通に持ち歩いて楽しむというモバイルのスタイルを始め、モバイル市場は今後どんどん拡大していくでしょう。だからこそシャープとしても、「モバイルはやっぱりシャープ・メビウス」と言っていただけるよう、自社の強みを発揮した商品づくりで、モバイルパソコン市場の拡大に貢献したいと考えています。
またMURAMASAシリーズに関しましても、今回開発したのは第2弾ですが、お客様がモバイルに対して求めるものや好みは人それぞれ違いますので、お客様1人1人にフィットしたモバイル商品を、これからもどんどん提案していきたいと思っています。
- 次の商品に対する具体的な構想などありますか?
大槻 私の中で青写真はありますが、それはここでは申し上げられません(笑)。商品に込めたい思いは、まだまだたくさんあるんですよ。一例を挙げるとすれば、バッテリー駆動時間でしょうか。携帯電話のように、丸1日バッテリーの心配をせずに使っていただくのが理想です。そして、思いきりDVDを楽しんでほしいですね。
木作 私は、一泊二日の出張にアダプターを持っていかなくて済む超強力なバッテリーを開発したいですね。
大槻 “兄貴”の次は、“お姉さん”になるか“弟”になるか、それはまだわかりませんが、今後増え続けるMURAMASAファミリーにぜひご期待ください!
シャープのモバイル戦略、そしてMURAMASAシリーズの今後の展開から目が離せませんね。今日はお忙しい中、ありがとうございました。
2002年3月
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