開発者インタビュー(TE-TS56V/GS10B) ヘルシオお茶プレッソのデビューから1年———さらなる進化を模索し続けてきた開発者たちに、第2世代TE-TS56V/GS10B発売までの道のりを語ってもらいました。 技術担当…坂根 安昭/商品企画担当…村井 更紗/技術担当…志摩 秀和

第1世代TE-GS10Aの発売から1年、反響はいかがですか?

不安と期待でいっぱいでしたが、予想以上の大反響でした!(村井)

世の中にない商品なので、初めは不安と期待でいっぱいでした。でも、テレビや雑誌などで取り上げていただいたり、お茶関係のイベントにもお招きいただいたお陰で、たくさんの方にお茶プレッソを知ってもらうことができました。各界からいろんな賞もいただき、反響の大きさに驚きつつも、とにかく忙しく動き回っていたうれしい1年でしたね。

本当に、そうですよね!うちの母親も発売後すぐに買いに行ったみたいなんですけど、品薄になる直前くらいだったらしくて、「何とか買えたよ!」って、うれしそうでした。

志摩
茶葉生産者など、業界関係者の方々からは、どんな反応があったんですか?

お茶業界を盛り上げてくれてありがとう!と言われました。(志摩)

お茶って歴史と伝統がある世界なので、「家電メーカーがお茶?」って、敬遠されそうな気がしてたんです。でも、実際には「よく作ってくれた!お茶業界を盛り上げてくれてありがとう!」とか「いっしょにお茶を盛り上げていきましょう!」など、感謝や応援の声をたくさんいただきました。こんなにも好意的な意見をいただけるとは思っていなかったので、とてもうれしかったですね。

坂根

私も、個人的にお付き合いしている茶道家の方から、「味もおいしいし、想像以上に本格的なお茶が楽しめる!」と言ってもらえました。
生産者の方々もそうですけど、お茶にずっと関わってきたプロからも高評価がえられたのは、うれしかったですね。

ご購入いただいた方からは、どんな意見がありましたか?

美味しい!操作もカンタン!と高評価をいただいてます。(村井)

ユーザー様のご購入動機は、「栄養価の高いお茶が作れるから」「本格的なお茶が飲めそうだから」が最も多かったです。また、実際に使われた感想として「想像以上に美味しかった!」という驚きの声や、操作がシンプルなので「初めてでもすぐに使いこなせた。」という声も多かったです。

その一方で、「好みの温度に変えたい」「もうちょっと手軽に掃除できれば」というご意見もありました。また、茶葉生産者の方からは、「今でもかなりの細かさだが、もう少し粒度が細かくなれば、もっとのどごしが良くなるのに」というプロならではの厳しいご意見もいただきました。

坂根

私も自宅で使ってるんですけど、子供が飲むのを見ていると、やっぱり少し熱そうにしていましたね。奥さんにも、「子供や女性は、ぬるめの方が好きかも」って言われました。私も猫舌な方なんで、個人的にも温度は変えらるように改良したいなと思いました(笑)

ご購入者の声…美味しい!お茶をまるごと食べる感覚。/茶殻が出ないのが良い。/コーヒー派からお茶派になった!/子供がよろこんで飲んでいます。/好みの温度に変えられたらな…。/こぼしてしまった粉末を、手軽に掃除できれば…。/パーツごとに外して、水洗いしたい…。
いろんな意見を踏まえて改良された今回の新製品ですが、商品のコンセプトは?

「おいしさ」と「おもてなし」の進化です。(村井)

さきほどお話したように “お茶に造詣が深い方々” からの助言と “お客様の声” を取り入れて、「おいしさ」と「おもてなし」の進化をコンセプトに商品作りをしました。

おいしさの進化 粒度

「引掛け突起」と「ふくみ」においしさの秘密があります。(志摩)

私の担当は臼の改良でしたが、今回もかなり苦心しました。村井さんからの要望は、「粉末の粒度をより細かく。挽き時間はより短く。」という難題だったので。というのも、粒度を細かくするには、普通なら挽く時間を長くするんです。でも、短くしてほしいと……。
相反する要望に頭を悩ませましたが、考えついたアイデアは片っ端から試作と評価をくり返していきました。その中からいくつかのアイデアを精査・複合して、今回の臼の形状に辿りついたんです。

相反する要望だったのに、きちんとクリアしてくれたので、純粋にすごいなと感心しました。でも、臼の回転速度を上げると、摩擦熱で茶葉がダメージを受けてしまうから、回転速度は従来と同じなんですよね?

村井
志摩

実はそうなんです。それでも、挽き時間を約20%短くしつつ、粒度を約15〜20ミクロンにまで細かくすることができたのは、「引掛け突起」と「ふくみ」に秘密があるんです。

今回の臼:茶葉をしっかり引き込む「引掛け突起」/粉末をとどめてより細かく挽ける「ふくみ」 「ふくみ」は石臼にならって開発しました。昔の人の知恵ってスゴイ!

今までは、なかなか臼に引き込まれない茶葉があったんですけど、「引掛け突起」をつけてあげることで不揃いな茶葉もしっかり臼に引き込めるようになりました。効率よく茶葉を挽けるので、挽き時間を短縮できたんです。さらに、「ふくみ」を追加したことで、粉末が臼の中に長くとどまり、より細かく挽くことができるようになりました。

おもてなしの進化 湯ざまし機能

水槽の冷却ファンが温度設定のヒントでした。(坂根)

私は、ぬるめのお茶が作れるように、温度設定の改良を担当しました。
志摩さんも臼の改良に苦心されていましたが、私の方もなかなか思うように進まなかった……。
最初の試作機を村井さんに持っていったら、「こんなに大きなパーツは到底受け入れられない」って一蹴されましたね(笑)。

画像:最初の試作機
ほぼA4サイズ

すみません(笑)。第1段階だったので、まだまだ改良されていくのは分かってたんですけど、やっぱりサイズって重要なので。
今回の新製品には、一度に4杯のお茶が作れる大容量タイプも追加したんですけど、このタイプでも設置スペースはA4の紙とほぼ同じサイズなんです!

村井
坂根

その後もいくつか試作を重ねてみたんですけど、この方向ではサイズの問題は解決できそうになかったので、すっぱり諦めて別の方向を検討しました。とは言っても、すぐに妙案は浮かんでこず。自宅で熱帯魚に餌やりしながら、どうしたものかなぁと考え込んでいた時、ふと水槽の冷却ファンが目に入って。すぐに、これだ!って思いました。

水槽の冷却ファン
志摩

意外な所からヒントを得ることってよくありますけど、まさか水槽の冷却ファンとは思わなかったですね。一体どんな仕組みなんですか?

二重の筒にすることで、効率よく風を当てられるんです。
イメージ画像:熱湯を高速冷却風が包み込む

熱帯魚の水槽では、夏場の水温上昇を防ぐために、循環流水にファンで風を当てるんです。つまり、水から気化熱を奪って水温を下げるんですね。これと同じことをお茶プレッソにも応用しました。沸騰させたお湯に横から風を当てるだけでは非効率なので、二重になった筒を考案し、中心筒に熱湯を、外周筒に冷却風を通したんです。お茶容器にお湯が注がれると同時に、お湯を包むように高速の冷却風を当てて、お茶容器に溜まるまでに気化熱を奪うわけです。この仕組みで約85℃の「温茶」と約70℃の「ぬるめ」が選べるようになりました。

「ぬるめ」のお湯でお茶を作ると、温度が低いから飲みやすくなるってだけじゃなく、苦味も抑えられて、まろやかな風味になるんですよね。そういう意味でも、子供にはいいかもしれませんね。

村井
おもてなしの進化 容量アップ

オフィスでお使いのお客様の声もきっかけになりました。(村井)

従来機から容量をアップしたことも小さな進化です。お茶プレッソをオフィスでお使いのお客様から「多数の来客時に一度にお出しできれば」という声をいただいたのもきっかけですね。

お手入れの面でも、置き台とつゆ受けトレイを外して手軽に丸洗いできるようにしたり、前面パネルに粉末の飛び散りを抑える帯電防止樹脂を採用したり。色々と工夫を凝らしてるんです。実は、使い勝手もよくなっていて、臼とお茶容器の投入口を大きくして、茶葉や粉末茶を入れやすくしたんです。
もっと細かい所で言えば、粉末茶がたまる受け皿を、手にフィットする形に微妙に調整してあったりと、いろんな所に気を配りました!

最後に、今後の展望をお聞かせください。
志摩

臼の技術をもっと磨き込んでいって、お茶プレッソをもっと便利にしていければと思っています。あと、この臼の技術を他の用途にも応用できればと、いろいろ研究中です。

村井

将来的には、お茶プレッソが “一家に一台必ずある家電” になればいいなと思っています。
記者発表の時も海外展開を意識した演出をしてたんですが、夏にはアメリカでも販売が始まるので、国内外問わず「お茶文化」を盛り上げていきたいですね。

坂根

今回は約70℃の「ぬるめ」を追加しましたが、猫舌の私としては、もっといろんな温度帯を検討してみたいですね。実現するかどうかは分からないので、全国の猫舌の方は、期待せずに待っていてください。

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