大阪市立大学大学院 医学研究科 分子病態学教室との共同研究
「高濃度プラズマクラスターイオン※1」が浮遊ダニアレルゲン※2による アレルギー反応を抑制する効果を生体レベルで実証
シャープは、大阪市立大学大学院 医学研究科 分子病態学教室と共同で、高濃度プラズマクラスターイオンが、浮遊ダニアレルゲン(ダニの死骸や糞を含んだ粉塵)によるアレルギー反応(アレルゲンとIgE抗体※3との結合)を生体レベルで飛躍的に抑制する効果があることを実証しました。
今回、ダニアレルゲンを浮遊させた容積1m3の空間に約5万個/cm3のプラズマクラスターイオンを15分間発生させ、回収したダニアレルゲンと、ダニアレルギー症状のマウスの血清から取り出したIgE抗体とのアレルギー反応を測定。イオンなしで浮遊させたダニアレルゲンに比べ、アレルギー反応が約97%抑制されることが実証されました。イオン濃度が約2万5千個/cm3の場合はアレルギー反応が約84%抑制されており、プラズマクラスターイオンの高濃度化により、アレルギー反応抑制効果が高まることが実証されました。
このことからプラズマクラスターイオンの高濃度化によって、アレルギー症状を緩和する働きが高まることが期待できます。
なお、今回の実証内容については、10月29日から開催される「日本アレルギー学会第59回秋季学術大会」において大阪市立大学大学院と共同で発表します。
当社は2000年から、世界の学術研究機関と連携してプラズマクラスターイオンが空気中に浮遊するMRSA※4など28種類の有害微生物を分解・除去する効果があることを実証してきました。またプラズマクラスターイオンの人への安全性も確認しております※5。
当社は、プラズマクラスターイオン技術をさらに進化させることにより、社会への貢献を図ってまいります。
大阪市立大学大学院 医学研究科 井上正康教授のコメント
現在、国民の3人に1人が、各種アレルギー症状を持っていることが報告されています(厚生労働省調べ)。 今回の研究により、アレルギー症状を緩和する方法としてプラズマクラスター技術が期待できることがわかりました。 一般的なアレルギー回避対策としては「こまめな掃除や換気」、医療分野では「薬の処方(抗ヒスタミン剤・ステロイド剤)」や「高性能マスクの着用」などが挙げられます。プラズマクラスターイオンはこれらと並び、アレルギー対策に貢献できる新たな技術として期待できます。
- ※1 プラズマクラスターイオンおよびPlasmaclusterはシャープ株式会社の商標です。
- ※2 ダニの死骸や糞に含まれているアレルギー反応を引き起こす原因物質。
- ※3 アレルゲンと特異的に結合するタンパク質。
- ※4 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌。病院などで体力の低下した人に感染し、抗生物質が効きにくいことが問題となっている。
- ※5 三菱化学メディエンス(株)にて試験(吸入毒性試験、眼および皮膚刺激性・腐食性試験)
浮遊「ダニアレルゲン」への効果実証方法と結果
効果実証方法
容積1m3のボックスを2つ用意し、1つのボックス内には高濃度プラズマクラスターイオン発生ユニットを設置します。
2つのボックスにダニアレルゲン(ダニの死骸や糞を含んだ粉塵)を浮遊させ、15分後に両ボックスから空気中のダニアレルゲンを回収します。
一方、数週間かけてアレルギー状態にした2匹のマウスの血清からIgE抗体を取り出します。
この2匹のマウスのIgE抗体に両ボックスから回収したのダニアレルゲンをそれぞれに加えて反応を見ます。
結 果
プラズマクラスターイオンなしのダニアレルゲンとIgE抗体との反応率を100%とした場合、約5万個/cm3の高濃度プラズマクラスターイオンを15分間発生させた場合、アレルギー反応が96.6%抑制されていることがわかりました。また、イオン濃度が約2万5千個/cm3の場合は、アレルギー反応は約84%抑制、約7千個/cm3の場合は、約67%抑制されており、プラズマクラスターイオンの高濃度化により、アレルギー反応抑制効果が飛躍的に高まることが実証されました。
アレルギー症状の発症のしくみ
アレルゲンが体内に入ると、IgE抗体が生成され、肥満細胞に付着する。このIgE抗体と再び入ってきたアレルゲンとが結合(架橋)すると、ヒスタミンなどの刺激物質が細胞外に放出され、のどや鼻の粘膜を刺激することで、咳・くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を発症する。
用語説明
アレルゲン(抗原):アレルギー反応を引き起こす異物のことで、ダニの粉塵・花粉・真菌など。
IgE抗体:異物(ダニアレルゲンなどの抗原)と結合し、アレルギー反応を起こす。
肥満細胞:粘膜上皮や組織中に存在し、アレルギー反応を起こすヒスタミンなどの刺激物質を生産する細胞。表面にはIgE抗体が付着している。
「プラズマクラスターイオン」発生のしくみ
放電電極に+と−の電圧をかけて、空気中の水分子と酸素分子を電気的に分解。水素のプラスイオンと酸素分子のマイナスイオンを作り出す。
プラズマクラスターイオンのアレルギー分解・除去メカニズム
プラズマクラスターイオンが浮遊アレルゲンを取り囲み、強力な活性物であるOHラジカル(水酸基ラジカル)に変化。アレルゲンの表面のタンパク質(IgE抗体結合部位)から水素(H+)を抜き取り分解して、分子レベルで変性させるので、アレルゲンが体内に入ってもアレルギーは発症しない。
大阪市立大学大学院 医学研究科 井上正康教授のプロフィール
大阪市立大学大学院 医学研究科 生化学・分子病態学部門 教授
医学博士
[専門]
活性酸素、分子病態学
- 1983年〜92年 熊本大学医学部生化学講座(助教授)
- 1989年〜 米国タフト大学医学部客員教授(分子生理学)
- 1992年〜 大阪市立大学医学部 生化学・分子病態学部門(教授)
- 2000年〜 倉敷成人病センター・医科学研究所・副所長
[活動]
日本生化学会評議員、日本炎症学会評議員、日本肝臓学会評議員、日本臨床代謝学会評議員、日本DDS学会評議員、国際フリーラジカル学会評議員(アジア地区代表)、New York Academy会員
プラズマクラスターイオンの有害物質分解・除去実証一覧
| 対象有害物質 | 種類 | 実証機関 | 時 期 |
|---|---|---|---|
| 細菌 | セラチア菌 | 米 国 ハーバード大学公衆衛生大学院 メルビン・ファースト名誉教授 |
2007年 3月 |
| 大腸菌 | (財) 石川県予防医学協会 | 2000年 9月 | |
| 大腸菌、白色ブドウ 球菌、カンジダ菌 |
中 国 上海市予防医学研究院 | 2001年10月 | |
| バチルス菌 | (財) 北里環境科学センター | 2002年 9月 | |
| CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授) | 2004年11月 | ||
| MRSA (メチシリン耐性 黄色ブドウ球菌) |
(財) 北里環境科学センター | 2002年 9月 | |
| (社) 北里研究所 北里研究所メディカルセンター病院 | 2004年 2月 | ||
| シュードモナス、 エンテロコッカス、 スタフィロコッカス |
ドイツ リューベック医科大学 | 2002年 2月 | |
| エンテロコッカス、 スタフィロコッカス、 サルキナ、 マイクロコッカス |
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授) | 2004年11月 | |
| アレルゲン | ダニ、花粉 | 広島大学大学院 先端物質科学研究科 | 2003年 9月 |
| ダニ | 大阪市立大学大学院 医学研究科 分子病態学教室 | 2009年 7月 | |
| 真菌 | クラドスポリウム | (財) 石川県予防医学協会 | 2000年 9月 |
| ドイツ リューベック医科大学(増殖抑制効果) | 2002年 2月 | ||
| CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授) | 2004年11月 | ||
| ペニシリアム、 アスペルギルス |
ドイツ リューベック医科大学(増殖抑制効果) | 2002年 2月 | |
| アスペルギルス、 ペニシリアム(2種)、 スタキボトリス、 アルテルナリア、 ムーコル |
CT&T(ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授) | 2004年11月 | |
| ウイルス | H1N1型ヒト インフルエンザウイルス |
(財) 北里環境科学センター | 2002年 9月 |
| 韓 国 ソウル大学 | 2003年 9月 | ||
| 中 国 上海市予防医学研究院 | 2003年12月 | ||
| (社) 北里研究所 北里研究所メディカルセンター病院 | 2004年 2月 | ||
| H5N1型トリ インフルエンザウイルス |
英 国 レトロスクリーン・バイロロジー社 | 2005年 5月 2008年 8月 |
|
| コクサッキーウイルス | (財) 北里環境科学センター | 2002年 9月 | |
| ポリオウイルス | (財) 北里環境科学センター | 2002年 9月 | |
| コロナウイルス | (社) 北里研究所 北里研究所メディカルセンター病院 | 2004年 7月 |
※ 上記有害物質に対して、濃度3千個/cm3以上のプラズマクラスターイオンを照射して分解・除去効果を実証しました。
※ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。