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2010年8月5日

高濃度プラズマクラスターイオン※1の新効果
肌荒れの一因である「黄色ブドウ球菌※2」と 肌のテカリを起こす「皮脂」の抑制効果を人肌で実証

シャープは、株式会社 総合医科学研究所※3に試験を委託し、高濃度プラズマクラスターイオン(イオン濃度10万個/cm3程度)に、肌荒れの一因である黄色ブドウ球菌の増殖を抑制する効果があることを、人肌で実証しました※4

加えて、プラズマクラスターの水分子コーティング機能※5に、肌の余分な皮脂を抑制し「肌のテカリを抑える」効果があることが明らかになりました※4。 これまで、同研究所において、「肌保湿※6」「肌の弾力性向上※5」「肌のキメが整う※5」3つの美肌効果があることを実証しており、今回新たに2つの効果が加わったことにより、プラズマクラスターの美肌に対する技術価値がさらに高まりました。

本内容の詳細は、2010年8月7日から開催される第28回日本美容皮膚科学会・学術大会で発表いたします。

当社は、アカデミックマーケティング※7に基づき、2000年より世界の学術研究機関と連携して、プラズマクラスター技術が新型インフルエンザウイルス※8など28種類の有害物質の活動を抑制する効果があることを実証してきました。また、並行してプラズマクラスターイオンの安全性を確認し※9、2004年には「プラズマクラスターイオンによる細菌の抑制効果のメカニズム」を学術研究機関※10と共同で解明しました。

当社は、今後も健康的な生活環境づくりに向け、プラズマクラスター技術のさらなる進化と実証を進めてまいります。

  • ※1 プラズマクラスターおよびPlasmaclusterは、シャープ株式会社の商標です。
  • ※2 皮膚の炎症を引き起こす菌。
  • ※3 医薬品・食品の開発のための臨床試験受託会社。
  • ※4 効果には個人差があります。
  • ※5 本年6月4日発表。
  • ※6 本年2月17日発表。
  • ※7 技術の効能について、先端の学術研究機関と共同で科学的データを検証し、それをもとに商品化を進めるマーケティング手法。
  • ※8 2009年にメキシコ・米国で確認されて以来、世界中でパンデミックを引き起こしている新型H1N1インフルエンザウイルス。
  • ※9 三菱化学メディエンス(株)にて試験(吸入毒性試験、眼および皮膚の刺激性・腐食性試験)。
  • ※10 (独)アーヘン応用科学大学アートマン教授と共同研究。

高濃度プラズマクラスターイオンによる肌の付着菌抑制効果および皮脂抑制効果の試験方法

高濃度プラズマクラスターイオン(イオン濃度10万個/cm3程度)を発生させた場合と発生させない場合において、顔の頬に付着している菌(黄色ブドウ球菌・エピデルミディス菌)を採取して菌数の経時変化を測定するとともに、肌の皮脂量の変化率を測定しました。

温度26~28℃、湿度40~60%に調節した6畳相当(床面積9.8m2)の試験室において、イオン発生装置を被験者の前方50cmの距離に設置。被験者は、30歳以上65歳以下の健常女性15名を対象とし、試験中はパソコンによる軽作業を行いました。今回は、被験者および測定者にイオン発生の有無の条件を知らせないダブルブラインド試験※11を実施しました。

  • ※11 医学的な臨床試験で用いられている手法。被験者および測定者の主観を排除した客観的な試験方法。

肌の黄色ブドウ球菌に対する抑制効果

黄色ブドウ球菌は、肌荒れの一因となる悪玉菌として知られており、吹き出物やとびひ、アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気に関係していると言われています※12

イオンありの場合は、イオンなしと比べて時間経過とともに菌数が減少し、イオン発生4時間後から統計的に有意な差が確認されました。これにより、高濃度プラズマクラスターイオンに肌の黄色ブドウ球菌を抑制する効果があることが確認されました。

肌の黄色ブドウ球菌に対する抑制効果
  • ※12 「美容の医学 美容皮膚科学事典」朝田康夫監修 中央書院 および「人体常在菌のはなし」青木皐著 集英社新書 を参照。

なお、エピデルミディス菌(表皮ブドウ球菌)は、病原菌の体内への侵入を防ぎ、肌を保護する役目の善玉菌と言われています※13。イオンあり・なし両方の場合において、統計的に有意な菌数変化の差は確認されませんでした。

  • ※13 「人体常在菌のはなし」青木皐著 集英社新書 を参照。

肌の皮脂の抑制効果

イオンありの場合は、イオンなしの場合と比べ、8時間後の肌の皮脂量の増加が抑制されていることが確認されました。これにより、プラズマクラスターの水分子コーティング機能に肌のテカリの原因である皮脂を抑制する効果があることが確認されました。
 肌の皮脂の抑制効果

プラズマクラスターイオンによる菌に対する抑制効果のメカニズム

プラズマクラスターを構成するプラスとマイナスのイオンは、水分子に囲まれた状態で空気中を浮遊し、肌に付着している菌を取り囲みます。菌の表面でのみ反応し、OHラジカルを生成、菌表面の細胞膜タンパク質から水素(H)を引きぬいて、タンパク質を切断、細胞膜機能不全を引き起こして菌を不活化させます。 OHラジカルは、抜き取った水素(H)と結合して水分子(H2O)となり、空気中に戻ります。

プラズマクラスターイオンは自然界に存在するイオンと同じ種類であり、第三者機関によって安全性も確認されています。

プラズマクラスターイオンによる菌に対する抑制効果のメカニズム

株式会社 総合医科学研究所 代表取締役社長 杉野 友啓氏のコメント

プラズマクラスター技術が、皮膚の状態を保っている善玉菌には影響せず、肌荒れの一因となる悪玉菌の増殖を抑制する効果が実証されました。今回の実証により、プラズマクラスターは、肌の健康や清潔性を保つ対策のひとつとして期待できます。

株式会社 総合医科学研究所

(有) 総合医科学研究所として平成6年に設立。平成13年に株式会社 総合医科学研究所に組織変更。独自に開発したバイオマーカー・評価システムの技術を活用した食品および機器の臨床評価事業をはじめ、医薬品マーケティング支援事業および特定保健指導事業を展開しています。

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