液晶の存在は、1888年にオーストリアの植物学者ライニツァーによって発見されました。「液晶」とは、固体と液体の中間にある物質の状態(例えば石鹸水など)を指す言葉です。
1963年RCA社のウィリアムズは、液晶に電気的な刺激を与えると、光の通し方が変わることを発見。5年後(1968年)に同社のハイルマイヤーらのグループが、この性質を応用した表示装置をつくりました。これが液晶ディスプレイ(LCD=Liquid Crystal Display)の始まりです。
しかし液晶は本来、ディスプレイの材料としては不安定で商用として問題がありましたが、1973年、シャープより電卓(EL-805)の表示として世界で初めて応用されました。グレイ教授(英国ハル大学)は1976年に安定な液晶材料(ビフェニール系)を発見し、それは現在のLCD材料の基礎となっています。
液晶の顕微鏡写真